5つのハーブで 暑さを吹き飛ばす

マザーアースニューズ ハーブ 健康

気温の上昇とともに、私たちの体温も感情も上がってくる。これから紹介するハーブで、熱くなった身体と心と精神を落ち着かせよう。

文:ジュリエット・アビゲイル・カー (Juliette Abigail Carr)

翻訳: 松並 敦子

 

 果てしなく日差しが降り注ぐ夏の日々はまさに季節の恵みです。しかし、特に気候危機が悪化し、記録的な熱波が襲う予測不可能な現代では、夏の猛暑が戸外での楽しみ全てに水を差してしまうことが時折あります。庭仕事をしたり、ジョギングしたり、ただ裏庭のハンモックでリラックスしたり、いずれにしても、夏の暑さで体が受ける影響をハーブが和らげ、活気に満ちた季節を最大限に楽しむ助けをしてくれます。

 あらゆる生命地域 (bioregion) に、暑さと太陽の影響を軽減してくれる独自のハーブがあります。ご自宅の裏庭で、ぜひ雑草を観察してみてください。どんな場所にも、そこで暮らす人々や動物を育んでくれる独自の自然の薬があるのです。裏庭に出て、近所にある植物に会ってみましょう。ここで紹介するハーブは調達が簡単で、北米のほとんどの地域で栽培しやすく、ほぼ全ての人に安全に楽しんでもらえるものです。栽培するも良し、地元の薬草店や食品協同組合から購入するも良し。これらのハーブで植物を使った納涼生活を始めてみましょう。

 

暑い日の来客を涼やかに

 レモンバーム(学名 Melissa officinalis)は、私のお気に入りの暑い季節のハーブの 1 つで、私が夏に常飲するお茶のベースです。レモンバームの葉は清涼感が素晴らしく、甘いレモンミントのような風味があります。しかもその香りは、庭の小道を歩きながらさっとレモンバームに触れると、漂います。レモンバームは過剰な熱やストレスを払いのけて、身体と気持ちを冷ましてくれます。レモンバームの地に足をつけてくれるような鎮静エネルギーは、今この瞬間に私たちの身体を落ち着かせてくれ、私たちの精神も身の回りの出来事も晴れやかにしてくれ、長い夏の日々を最大限に楽しむ助けをしてくれます。レモンバームは大抵の人に安全です。

 ボリジ(学名 Borago officinalis)は最も冷却作用のあるハーブの 1 つです。きゅうりに似た冷却、保湿作用がありますが、薬草学 (herbalism) ではそうした性質の植物を「鎮痛薬」と呼びます。ボリジは過熱した身体をすぐに冷やしてくれるので、過熱を予防するために、活動前に使えます。身体を冷やすだけでなく、ボリジは過熱して疲れ切った神経系を落ち着かせてもくれます。ストレスや疲弊の瞬間に身体が張り詰めたワイヤのように震えて、日常の細々したストレスの種に過剰反応するとき、ボリジがこの過激な反応をクールダウンする助けをしてくれます。さらにボリジはトラウマや悲しみにも作用して、私たちがしっかり立ちあがり、心を癒し、活躍する助けをしてくれるのです。「カーリッジ(勇気 courage)にボーリッジ (borage)」という古い言葉が頭に浮かびますね。ボリジの葉や花はお茶やフローズンヨーグルトのように水をベースとして調合するのが最適です。と言うのは、ボリジのねばねばした滋養分はアルコールベースではうまく抽出されないからです。ボリジは妊婦にはお勧めできませんが、それ以外の大抵の人には安全です。。。

 

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