直感に反するかもしれないが、ソーラーパネルは熱くなりすぎると性能が低下する。そこでアグリボルタイクスの出番だ。
文:ダービー・スティプ( Darby Stipe)/翻訳校正:沓名 輝政
「アグリボルタイクス」とは、ソーラーパネルと農作物の両方を同じ地域で利用する農法で、土地の生産性を高めると同時にパネルを冷却する。植物は太陽光を離れた地面から反射させるため、受動的にパネルを冷却し、ソーラーパネルがさらされる熱量を制限する。Applied Energy 誌に掲載された最近の研究では、異なる作物、パネルの高さ、地表の覆いのレベルからなる18のシナリオから生み出される冷却効果をテストした。この研究では、ソーラーパネルの下に大豆を栽培し、パネルを地面から4mの高さに設置した場合、地面がむき出しのままでパネルを地面から0.5mの高さに設置した場合と比較して、ソーラーパネルの温度が10度低下することが示された。
太陽光発電所を検討している、あるいはすでに持っている場合、パネルの間に作物を植えることで、ソーラーパネルが25℃を超えるごとに経験する0.5%の生産性低下を解消できる可能性がある。アグリボルタイクスを利用する他の方法としては、ソーラーパネルと羊などの放牧動物を組み合わせる方法がある。食料生産と再生可能エネルギーの消費は、今後数十年の間に急増すると予測されており、今世紀半ばには地球上に100億人が住むようになると推定されているため、土地をより効率的に活用することは、気温上昇への耐性を築きながら需要を満たす貴重な方法となるだろう。
アグリボルタイクスについてもっと知りたい方は、www.ScienceDirect.com/science/article/abs/pii/S0306261922017354 の「ソーラーファームの冷却を強化するアグリボルタイクスの可能性」をご覧ください。
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