かご編みしよう:天然バスケット  

マザーアースニューズ 自然 自給 DIY

採集した草木の繊維を日常使いに最適な素朴なバスケット(かご)に仕上げよう。

 

文と写真:マリ・ユヴァスヤルヴィ・スチュアート(Mari Jyväsjärvi Stuart)

翻訳校正:松並 敦子 & 沓名 輝政

 

 バスケットは人類最古の芸術のひとつで、陶器や機織りよりもさらに古いと言われています。また、主に手作業で行われる今でも続く数少ない工芸品のひとつでもあります。現代のバスケットは機械で作られたものもありますが、材料の適性を見極めて、植物を絡めてバスケットを編むという人間の手の器用さと創造性は、機械には真似できません。

 

  バスケット編みには長い歴史があるからでしょうか、初心者でも、その工程は身近に感じられるようです。最初の段取りには根気と集中力を要しますが、何度か編んでいるうちに、ほとんどの人がすぐにコツをつかめるようになっていきます。

 

  森や草地、湿地など自然界には、アシやイグサ、草、松葉、ヤナギ、イバラ、スイカズラの蔓、樹皮、根など、バスケットの材料になりそうなものがたくさんあります。バスケット作りのために特別に栽培された素材、たとえばホワイトオークの枝や栽培されたヤナギの新芽は、予測可能で均一な形をしていますが、採集した、いわゆる「ヘッジロー[生け垣]」のバスケット素材は、その植物のストーリーを伝える、興味深い有機的な形をしています。蔓が絡み合ったり、枝に巻きついたり、光に向かって意欲的に伸びていったりするものもあります。これが天然工芸品のバスケットたる所以で、自然そのものの物語と創造性が組み込まれています。採集した材料で編んだバスケットは便利で美しいだけでなく、まったく新しい方法であなたと風景を結びつけてくれるでしょう。

 

  ここでは採集した蔓植物とヤナギの棒を使って、小さな丸いバスケットを編む手順を説明していきます。丸い形は、初心者に一番簡単な形です。底のスポーク(たて芯)が上に向かってカーブしているお椀型のバスケットも作れますが、今回は平らな土台を作り、垂直のステーク(支柱)を付けてバスケットの側面を作る方法を学びましょう。今回、初めてバスケットを作るのであれば、出来上がりが少し不安定で歪んでいるかもしれませんが、心配しないでください。そんな飾り気のなさも狙いのうちです。

 

道具と材料

 

 スポークとアップライトに使うヤナギの棒が手に入らない場合、代わりに最もまっすぐな蔓を使う。

 

• 植木ばさみまたは剪定ばさみ

• 鋭いナイフ

• 麻ひもその他の紐

• 洗濯ばさみまたはクランプ

• ラジオペンチ

• ボドキンまたはドライバー

• 鉛筆より太い25cm長のヤナギの棒(スポーク用)<6本>

• 鉛筆より少し細い60cm長のヤナギの棒(アップライト用)<23本>

• アップライトより細い各種蔓性の植物(編み込み用)

 

草木の繊維の収穫

 

 冬は木の幹や地面に生えている蔓が見やすいため、バスケット編みの蔓を収穫するのに最適な時期です。また、冬には樹液が少なくなるので、蔓があまり柔軟でないのも良い点です。

 

  自宅の庭以外で収穫する場合は、許可を得ることを忘れないようにしましょう。たいていの家主は生垣の剪定を喜んで許可してくれるでしょう。

 

  バスケットの材料を探すには、冬が最適です。藤、葛、スイカズラ、棘を取り除いたイバラ、ブドウなどの蔓植物がバスケット作りに適しています。長くて丈夫で、手に巻きつけられるほどしなやかなものを選びます。軽く曲げたときに「U」の字になるものはそのままとっておき、「V」の字に割れるものはもろいので注意しましょう。

 ランナー(ほふく茎)は地面近くで切り、葉や枝を取り除きます。葛を採取する場合は、緑色で産毛のある柔らかいものではなく、樹皮のある、地面に近い部分の蔓を収穫します。スイカズラはもろいですが、長さが6mにもなる茎があり、かご編みの素晴らしい材料になります。小川沿いや湿地帯など、低くて湿った場所で見つかるでしょう。イバラには魅力的な緑色をしたものが多く、かご細工に最適ですが、収穫後、鋭いナイフでとげを取り除かなければなりません。

 ヤナギの枝を探すときは、長くてまっすぐで、あまりもろくないものを探します。道路沿いの溝など、定期的。。

 

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