ハードセルツァーを自家醸造

マザーアースニューズ 自然 自給 DIY

自家製キットを使えば、すっきりシンプルな炭酸水をちびちび飲める。

文:アンドリュー・パーキンス(Andrew Perkins)

翻訳:沓名 輝政

 

 2020年のパンデミックの最中に一気に人気が出たキッチンクラフト(どうも、天然酵母さん!)の中でも、自家製ビールがトップレベルであったことは周知の事実です。また、2020年の面白い現象として、ハードセルツァーの増加傾向がありました。

 私はハードセルツァーの銘柄をいくつか紹介してもらい、特に8月中旬のカンザスのうだるような暑さの中で、楽しむことができました。そこで私は昨年の春、初めて自宅で醸造してみることにしました。もし成功したら、自分の成果を友人や家族と分かち合いたいと思ったのです。

 全くの初心者である私は、必要な器具や添加物その他すべてのもの、水以外を一度に手に入れられる解決策を探していました。また、醸造の背景にある科学的な知識も、時間をかけて糖分をアルコールに変える発酵プロセスということ以外ほぼ皆無でした。

 Northern Brewer の「Craft Hard Seltzer Making Starter Kit」は、私の欲しいものリストをすべて満たしているように思えました。5ガロン(19L)のキットは129.99ドルで、48本のセルツァーを作ることができます。ざっと計算してみると、12オンス(355ml)のボトル1本あたり約2.70ドルになります(新品のボトルを購入した場合のボトル代は含まれていません)。この価格は、小売店で売られている6本入りパックよりも少し高いかもしませんが、キットには必要な器具がほぼすべて付属しているので、次回の製造に必要な材料費は20ドル程度で済みます。私は、ルビーレッドグレープフルーツのレシピに決めました。

 キットには、瓶詰め用と発酵用の2つの5ガロン(19L)バケツ(スピゴット用の穴があらかじめ開けられている)、エアロック用の穴が開けられたプラスチック製の蓋、スピゴット2つ、5ガロンのステンレス製鍋、エアロック、材料を混ぜるための大きなステンレス製スプーン、比重計、そして器具を消毒するためのすすぎ不要の消毒剤2袋が含まれています。

 レシピキットには、41⁄2ポンド(2,040g)のプライミングシュガー[発酵が終わった若ビールに炭酸ガスを溶け込ませる工程で使用する糖分]用コーンシュガー、ワイン酵母、数種類の栄養剤、ルビー色のグレープフルーツ風味の結晶粉末が含まれています。

 キットに同梱されていた説明書はわかりやすく、機器を十分に消毒することの重要性が何度も強調されていました。細菌が残っていると、せっかくの発酵が台無しになってしまいますからね。私はまず、お湯と石けんですべてを洗いました。次に、21⁄2ガロン(9.5L)のろ過した水をステンレス製の鍋で沸騰させ、4ポンド(1,810g)のコーンシュガーを加えて沸騰させ、有害なバクテリアを死滅させました。砂糖水が10分ほどで沸騰した後、鍋ごとキッチンのシンクに移し、氷水で囲み、30分ほど冷やしました。

 砂糖水が冷めるまでの間、すすぎ不要の消毒剤を1袋、瓶詰めバケツに入れた1ガロン(3.8L)のお湯に溶かしました。消毒剤が完全に溶けたら、その溶液を発酵バケツに移し、プラスチックの蓋をして、バケツと蓋の内側でむらなく数分間かけて撹拌しました。その後、溶液を瓶詰めバケツに戻し、エアロック、イーストの密封パック、殺菌用のハサミを入れました。

 砂糖水が十分に冷えたら、発酵バケツに移し、残りの部分を5ガロン(19L)の目印までろ過した冷水で満たしました。酵母を加える前に、液体の一部を注ぎ、浮力が出るまでゆっくりと比重計を浸しました。比重計は1.34を示し、これをバッチの初期比重(OG)としてノートに記録しました。これについては後で詳しく説明します。

 醸造日の最後に、発酵バケツに酵母と栄養剤1袋を加え、蓋で密閉しました。最後に、気密用に消毒溶液を加えて蓋をし、発酵バケツを地下室に移動させました。地下室では確実に日光を避け、28日間、16~24℃の一定温度範囲に保てます。

 瓶詰めの日に、発酵バケツをキッチンに運び、比重計で再度測定しました。最終比重(FG)はちょうど1.00に達していました。OGと比べて数値が低いのは、酵母が糖分をアルコールに変えた後、液体の密度が低下したことを示しています。

 使用したリサイクルボトル、キャップ、サイフォンチューブ、瓶詰め容器、バネ式のボトルフィラーなど、すべての瓶詰め用品を徹底的に洗浄した後、サイフォンチューブと重力を利用して、発酵バケツから瓶詰めバケツに今回作った分を移しました。瓶詰め前の最後のステップは、セルツァーの香り付けです。5オンス(142g)のコーンシュガーをお湯で溶かし、冷ましてから混ぜました。次に、グレープフルーツの結晶粉末(18g)を1カップのお湯に溶かし、半分ほどを加えて味見をしたところ、私の口にはちょうどいい感じでした。

 すべての準備が完了したら、いよいよ瓶詰め。ボトルフィラーの先端を1本目のボトルの内側底面に当てると、ゆっくりと、しかし確実にボトルの中に流れていきます。

 充填のペースが遅いことに少し驚きましたが、結果的には泡が溜まることもなく、不用意にこぼすこともありませんでした。私の家族が瓶に栓をする担当となり、私は瓶の充填に専念しました。すべての瓶の充填、打栓、拭き取り、ラベル貼りが終わると、それらを箱に詰めて地下室に運び、酵母がプライミング溶液を変換して炭酸を発生させ、セルツァーの状態を整えるためにさらに2週間寝かせました。

 全体的には、ルビーのように赤いグレープフルーツのセルツァーができたことに満足しています。特に冷蔵庫で冷やして飲むと、まろやかでさわやかな味がします。Northern Brewer のキットは、今回の自作入門にふさわしい投資だったと思います。次回は、バイエルンのヘーフェヴァイツェンを作ってみようと思っています。。。

 

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