再利用可能な育苗トレイを作る

マザーアースニューズ  家

 手作りの木のトレイを使って、年々丈夫な苗を育てよう。

文:パム・ドーリング (Pam Dawling)

翻訳:沓名 輝政

 

 私が育苗するときには、プラスチックのプラグトレイや鉢、セルボックスなどを使いますが、自家製の木製の育苗トレイを使うのも好きです。なぜなら、大きくて丈夫な株を育てられるし、毎年再利用できるからです。

 木製の育苗トレイは、使い捨てのプラスチックを使わずに済みますし、園芸用品のさらなる自給自足ができるのです。また、プラスチック製のプラグトレイやセルボックスよりも育苗トレイの方が堆肥を多く保持できるので、より丈夫な植物を育てることができます。

 

育苗トレイを作る

 始めるには、育苗トレイの標準的なサイズを選びましょう。そうすることで、暖かくて日当たりの良い生育スペースにすべての育苗トレイを収めるときや、植える量を計算するときに、より簡単になります。私には大きな菜園があり、24 インチ(61cm)の長さで 12 インチ(30.5cm)幅の育苗トレイを使用しています。2 セット作っていて、種を蒔くための深さ 3 インチ(7.5cm)と、苗を育てるための深さ 4 インチ(10cm)です。それよりも大きな育苗トレイを作ることをお勧めしません。土を詰めると非常に重くなるから。少し計画すれば避けられる余分な重量を持ち上げる必要は無いですよね。

 私は小さな廃材の板を集めて、一度にまとめて育苗トレイを作ります。通常、廃材を使い切るためにハーフサイズの12 × 12インチ(30.5 x 30.5cm)の育苗トレイをひと組作ります。私はイースタンレッドシダーや松の板を使うのが好きですが、両方とも良い選択です。オーク材は使用しないでください。重いだけでなく、嫌になるほど裂けるし、柔らかい木のように扱いやすくはありません。接着剤や充填剤は植物に毒性があるので、合板やその他の製造された板は避けましょう。同様に、防腐処理された木材も避けましょう。

 私は、廃材の厚いもの(1cm 強から 2cm 弱の厚さ)から 12 インチ(30.5cm)の長さの側板をカットしました。どれくらいの深さの育苗トレイを作るかに応じて、側板を 3(7.5cm)または 4 インチ幅(10cm)のいずれかにします。私は廃材で作業しているので、収集した板を概して可能な限り最大の大きさの部材にカットします。読者のみなさんが木材を購入または製材する場合は、正確に木取り図を計画できます。私は、側板と底板は薄く、1cm 弱から 1cm 強の厚さに維持します。私は、側板を 24 インチ(61cm)の長さで 3(7.5cm)または 4 インチ(10cm)幅のいずれかにカットします。底板は、24 インチ(61cm)の長さで、幅はランダムです。実際には、あなたが趣向を凝らすなら、斜めや波状にカットした縁を持つ、育苗トレイの底部を使用できます。

次に、育苗トレイの側壁を組み立てます。そのため、側板を外にして、側板と端板を配置し、長方形を作ります。薄い側板を貫通させて、厚い端にドリルします。使用するとき多くの時間濡れていることになるだろうから、外装グレードのネジを使用してください。

 一旦 4 つの側板を組み立てたら、枠を裏返して、底板にねじ込みますが、小さな隙間(1cm 弱以下)を残します。隙間が排水に役立ち、濡れて板が曲がるのを防ぎます。隙間をもたせることはまた、完全に合うように削って仕上げる時間を費やすことなく、様々な板の幅を組み合わせることが容易になります。私はシーズン中に使いながら修理できるように、カットして穴あけ済みの板を常備しています。

 

3 インチ(7.5cm)の育苗トレイに種を蒔く

 3インチ(7.5cm)の深さの育苗トレイに新聞紙を二重に敷いて、隙間から堆肥が落ちないようにします。新聞紙は、側面の途中まで上に来るように敷きますが、上からはみ出さないようにします。そうしないと、堆肥から水分を吸ってしまいます。育苗トレイに堆肥を敷き詰めます。私はちりとりを使いますが、これは偶然にもちょうど良い幅になり、こてやシャベルよりも上手くいきます。育苗トレイの枠の端から端までをちりとりで摺り切り、均等に完全に詰まっていることを確認します。

 次に、種子のための小さな溝を作ります。私は定規を使用して、堆肥の表面に押し付けてから、前後に動かします。溝を作ったら、ほとんどの作物用に 1 インチ(2.5cm)あたり 3 から 5 を目指して種を蒔きます。(セロリと一部の花は光を必要としますが、それを除いて)浅い堆肥の層で種を覆い、水をやります。種子は室内で育てます。

 

4 インチ(10cm)の育苗トレイへの苗の移植

 芽が出てきて双葉が完全に開いたら、4 インチ(10cm)の育苗トレイに移植して、屋外に移植するまで育てます。深い育苗トレイには浅い育苗トレイと同じように堆肥を入れます。堆肥に穴を開けるために、私は合板の 12 × 24 インチ(30.5 x 61cm)の部材で作る開孔板を使用しています。合板に 40 の穴を開け、その後、各々にダボを接着。長い側には 8 本、短い方には互い違いにした 5 列です。ダボは、最も近い隣りのものから約 21/2 インチ(8cm)離します。これで、約 7 平方インチ(45 平方センチ、良い具合のスペース)を、それぞれの植物に与えます。堆肥の表面にディブルボードを押しつけて、一度に 40 の穴を作ります。

 私はバターナイフを使用して、3 インチ(7.5cm)の育苗トレイの苗をほぐします。その後、双葉(丈夫で、捨ててもよい)のところまで手に触れて、苗を揺すって取り外します。必要に応じて、移植先の育苗トレイの穴を深くするためにナイフを使用し、その後、根が穴の中で下向きになるように苗を静かに揺すります。ナイフと空いている方の手を使って、植物の周りにしっかりと堆肥を押し込みます。レタスのような小さな植物は 3 インチ(7.5cm)の深さの育苗トレイに植えますが、アブラナ科植物やトマトのような大きな植物は 4 インチ(10cm)の育苗トレイに植えます。それからは、水をやり、苗を私の庭に移植する時が来るまで待ちます。 

 

* 和訳全文は和訳電子版のバックナンバーお楽しみください