アウトドアオーブンを作ろう

この簡単なDIYの粘土オーブンはすぐに火が点き、数日間熱を保つ。 夜に夕食を作ったら、残った熱で次の朝にパンを焼こう。 

文:ウィリアム・ルーベル

翻訳:内野 清美

 

ドーム型オーブンの技術は古い。発掘された世界で最も古い新石器時代のでは、全ての家にドーム型の泥オーブンがあり、9,000年も前のものだ!技術は変わっていない。穴を開た耐火ドーム(内部の火でオーブンを加熱するため)は、火がまだ燃えているときにピザやその他の調理をする。しかし、ドーム型オーブンの最大の偉力は、ドームがバッテリーのように機能し、加熱中に熱を吸収することだ。 だから、火が消えた後灰を掃き出し、ドームに放熱する蓄積された熱でパンとキャセロールを焼くことができる。オーブンが冷めて来る頃には、野生のきのこ、ハーブ、果物を乾燥させることができる。

 ここで提案するオーブンは粉粘土(耐火粘土)と砂で出来ている。すぐに温まるため、夕食を約15分から20分で焼き始めることができ、その間、火はオーブンの中でまだ燃えていて、約1時間半後には最大火力になる。外殻はレンガと比較して薄いが、ドームの床や上部は良く断熱されているため1回の焼き入れで数日間使用することができる。夏の夕食にピザを作った後、ドアを閉め断熱材を置けば、オーブンはほとんどの場合翌朝でも少なくとも200℃以上で、午後パンを焼くのに十分なほど温かい。そして、その温度は翌朝でもまだ90℃以上だ。

 オーブンは美しい建築と彫刻の表現だ。私は裏庭のスモモの幹と枝で作ったテーブルの上にオーブンを作った。イタリアで見た栗の木の土台に作られたオーブンにインスピレーションを受けた。これは私の美学だから、あなたのオーブンにはあなた自身の美学を反映したいだろう。 友人はオーブンの基礎をパレットで作り、オーブンを卓上に傾けて設置した。木製の土台は化粧しっくいまたはサイディングで仕上げたり、蟻組みで対照的な木材を使用して組み立てることもできる。全てあなた次第だ。石造建築物の基礎のような構造的強度は必要ないが、美的志向がそれを望むなら、石の土台を作ればいい。

 

場所の選定

 私が提案するオーブンかまたは別のデザインかに関わらず、場所の優先順位をつけることをお勧めする。場所の選択のため、オーブンで調理し家族やゲストに振る舞う様子を想像してみよう。 屋外の装飾だけに留まらないオーブンを!私の最初のオーブンはキッチンからあまりにも離れていたため、使ったのは1年に6回だった。現在のオーブンはキッチンから6mの距離だ。オーブンの近くにテーブルをセットするのは、ダイニングルームにセットするのと同じくらい簡単だ。塩やオリーブオイルを忘れてしまった時は、必要なものを取りに台所に入るだけで済む。

 

オーブンの製作

 オーブンの底と木製のテーブルトップの間に断熱材の厚い層があり、丈夫な木製のテーブルに建てられた直径90cmのオーブンをお勧めする。オーブン自体は、砂と耐火粘土3対1の混合物で作るドームになる。側面は厚さ6cm、上部は10cmになる。湿った砂の上にドームを建て、その後、アルミホイルと交互に2〜4層のセラミック断熱材で断熱し、しっくいのコーティング、耐火粘土と砂の湿った混合物、または湿った粘土で柔らかくした藁とホワイトウォッシュで塗る。防水シートやシンプルな屋根で雨から守れば、美しいオーブンを生涯使う事になるだろう。

 テーブル土台を作る。最も単純なオーブンは、木製のテーブル上に作られたオーブンだ。 テーブルは簡単で廃材からすぐに作ることができ、好みの外装仕上げ(しっくい、サイディング)にすることができる。オーブンのベースの高さを1mから1m10cmにすることをお勧めする。 これは標準的なキッチンカウンターの高さよりも高くなっていて、かがみこまずにオーブンの中を覗くことができる。 レンガのベース、その下に敷く砂、そして断熱材を考慮して、脚は70〜90cmの高さにする必要がある。テーブル土台の上で跳ねたり踊ったりしても十分な強度を持たせること。陶器の台は構造的に必要無いが、美的感覚がそれを選ぶなら、素敵なデザインの台をオンラインで数多く見つけることができる。直径90cmのオーブンの最適な天板寸法は1m40cmだ。

 天板を断熱する。オーブンの底から天板への放熱を止めることが重要だ。オーブンの底と天板を断熱するには複数の方法がある。以下は私のやり方だ。 最初に、テーブル直径に合わせたフレームを1 x 6で作る。パーライトまたはバーミキュライトとポルトランドセメントとを6対1の比率で10cmの高さに混合し、その上に細かい砂を圧縮し水平な層を作る。オーブンの底がコンクリートまたは石でできていたとしても、絶縁層が必要になる。

 レンガの床を敷く。一般的な赤レンガは家庭用オーブンに十分な床を作る。 押し固めた水平な砂の面にレンガを置く。使用するレンガの正確な数は、天板の寸法で決まる。

 チョークで円を描く。レンガ床の中心に直径90cmの円をチョークで描くが、オーブン完成時に、オーブンの前に約30cmの広さの煉瓦の棚ができるように、後ろにずらして描く。この小さな棚は、鍋、ピザ、またはパンの木べらを置く場所になる。

 砂のドームを作る。小さな棒を40cmに切る。チョークで描いた円の中央に砂を積み、棒を挿す。円の中に5ガロン(19リットル)のバケツ15杯分の湿った細かい砂を棒の頂点に達するまで盛る。砂のお城を思い出し、手を重要な建築道具として使おう。押し固め、山を形作ってゆく。重要点:25cmの高さまでは壁はできるだけ垂直にし、25度以上傾けてはいけない。完了したら、全体を滑らかにして棒を取る。対称性を確認する。見直した時に、壁をより垂直にする必要がある場合は、一握りの湿った砂を側面に押し当てよう。短い2 × 4が、砂の圧縮や成形に役立つだろう。

 新聞層を作る。砂山が完成した後に新聞紙で覆い、新聞紙がぴったりつくよう水でスプレーする。この層で粘土ドームに砂が付着しないようになる。

 粘土ドームを形作る。私が使用する基本ミックスは、細かい砂3、耐火粘土粉末1だが他のミックスでも可能だ。寒くて湿っている時期に作る場合は、1/2のポルトランドセメントを加える。セメントで、粘土が乾燥するのに寒すぎる時でも、ドームが出来上がる。

 ドームの厚さは、オーブンがどれくらい早く温度を上げられるか、どれだけの熱を蓄えることができるかの両方に直接影響する。 40ガロン(150リットル)の砂(5ガロンのバケツ8杯)と13.5ガロン(50リットル)の耐火粘土粉末(5ガロンのバケツ2杯と2/3杯を少し上回る)で私のニーズを満たすオーブンを作り出せることが分かっている。それ以下の量にならないようにする事。

 小さなバッチで作業することをお勧めする。私は1回の混ぜ込みにつき6ガロン(23リットル)の細かい砂と2ガロン(7.5リットル)の耐火粘土粉末で作業する。

 手押し車の中で混ぜるか、またはタープの上で混ぜるかに関わらず、最初に砂を測り、次に耐火粘土を測る。ポルトランドセメントを追加する場合は、最後に追加する。 水を加える前に完全に混ぜ合わせる。追加する水の量は、砂の湿度によって異なる。

 製造バッチを作る前に、いくつか小さなテストバッチを作る。3カップの砂と1カップの耐火粘土を混ぜ、水を少量加えて混ぜる。最も乾燥したまとまる状態を目指そう。粘土をボールにして混合物をテストしてみよう。肩の高さからボールを落とし潰れたら水分が多すぎで、割れたら水分が足りない。形がボールのままであるのがちょうどいい。テストバッチを作った後感覚をつかんだら、本作業に移ろう。

 混ぜた粘土を砂の上に一握りずつ加えていく。どこから始めても問題ない。粘土を加えながら、2 x 4で粘土を打ちつけオーブンの外側を圧縮して滑らかにする。ドラムを叩くように開いた手で打つのも効果的だ。ドームを滑らかに美しく仕上げよう。

 厚さをテストするには、側面は4cmのしるしをつけた細い棒を挿し、上部には10cmの長さにしるしをつけた棒を挿し厚さを統一する。熱が上がるにつれて、上の十分な厚さがより優れたオーブン性能に変わる。完了したら、ドームの厚さをテストして調整する。

 失敗の素?本能的に水を加えすぎること!耐火粘土ミックスの水分が多すぎると、崩れ落ちてしまう。粘土は砂の山のてっぺんから底に向かって流れ、場合によっては隙間を残すことさえある。ひと混ぜ分の水分があまりにも多くまだ使用していない場合は、3 : 1の砂と耐火粘土粉末を加えて乾かす。水分が多すぎて崩れ落ちるのを見ても慌てないこと。底に流れ込んだ粘土を切り取り、流れ出た場所に戻そう。我慢強く。必要に応じて繰り返すこと。

 その他の選択肢:粘土を掘り出す事もできるし、耐火コンクリートを3袋購入することもできる。袋に書いてある指示に従うこと。使用しない場合は3番目の袋を返品する。耐火コンクリートは間違いがなく生涯もつが、環境に優しい建築材料ではなく高価だ。

 オーブンの扉を切る。粘土ドームの形成が終わったらすぐに扉を切る。オーブン使用時、冷たい空気がドアの底部を通って入り、熱い空気が上から排出される。ドアの高さは、内部ドームの高さの63%でなくてはならない。40cmのドームの場合、ドアの高さは25cmにする必要がある。 幅はオーブン用の木べらと好みのフライパンが滑り込むのに十分な幅を取る。 35cmが適当な幅だ。 また、好きな豆用の鍋や小さなシチュー鍋を持っている場合は、蓋をした状態で、扉を通ることを確認する事。 必要に応じて微調整する。

 砂を取り除く。ドームが固まった後、鍬で砂を取り除く。固まるのに天候によっては、数時間から1〜2日かかる。粘土にセメントを加えた場合、オーブンは通常数時間で固まる。

 オーブンに火を入れる。この時点で、オーブンの使用を開始できる。断熱されるまで待つ必要はない。静かに水分を飛ばすため一日中燃える非常に小さい火から始める。ドームから蒸気が見えなくなったら、加熱できる。自分の判断で、オーブンが最大火力になるまで熱を上げる。ドーム内側、熱い表面が黒から白に変わったら、オーブンは完全に加熱され、オーブンの断熱されていない外側が触っても熱くなる。

 木が細いほど火は熱く燃え上がり、木が乾燥しているほど、火は熱くなる。調理が終わった後に燃えさしを掃き出す時、次の調理のために薪を入れ乾燥させるのが最善の習慣だ。

 煙を減らすために、オーブンの口の近くで火を起こすようにする。火が良く燃えてから、オーブンの奥に押し入れる。必要に応じて燃料を追加しよう。約1時間後、オーブン内は高温になり、上部3分の1を満たす炎の雲が見えるだろう。壁が白くなった後、燃えさしや燃えている木を横にずらし湿った布モップで床部分から灰を拭き取る。これでピザやフラットブレッドを調理する準備が整った。火を少し弱めておけば、火の横であらゆるものを料理することができる。私は火を起こしてからだいたい15〜20分で調理を始める。

 オーブンドームの内部に亀裂が入る可能性がある。私の経験では、これは構造的な亀裂ではないので問題ない。砂と耐火粘土の1対1の混合物で亀裂を埋める。

 ドームを断熱する。断熱しすぎるという事は無い。最高火力の時、オーブンの外側の温度は外気より数度しか上がってはいけない。私は層の間にアルミホイルを敷いた2〜4層のセラミック繊維断熱材をお薦めする。窯によく使用されるセラミック繊維の断熱材は、通常、60cm幅、2.5cm厚、7.5m長で販売されている。ゴム手袋を着用し、鋭利なナイフで断熱材を切断する。断熱材ケチると、オーブンが冷える速度が増す。セラミック断熱材2層では、オーブンで夕食を調理した後、翌朝約180度になる。層を増やすことで、翌朝の温度を220度まで上げることができる。ドームの外側のパーライトまたはバーミキュライトコンクリートの8対1の層で、セラミック繊維断熱材の必要量を減らすことができる。 オーブンに火を入れ、熱損失の割合を測定することによって、断熱層をテストすることができる。

 最終層を作る。望み通りの断熱材の厚さを持たせたら、アルミホイルの層に続いてチキンワイヤーの層でドームを覆う。化粧しっくい、しっくい、ドームに使用した延ばせる耐火粘土ミックス、または粘土に混ぜて柔らかくした藁(スライド参照)でオーブンを仕上げる。後者の場合は、手押し車に水と耐火粘土粉末を入れ濃厚なクリームの柔らかさに混ぜる。藁の塊を加え鍬で混ぜる。 20〜30分後、藁は粘土の水を吸収して柔らかくなる。出来上がったものでオーブンを覆う。手を使い、満足のいく形に滑らかに仕上げよう。藁を短く切断すると、表面が滑らかになる。

 

仕上げ

 塗装仕上げ。ホワイトウォッシュ(水と混ぜた石灰)は、コーティングの伝統的な塗料で、私が使用しているものだ。ホワイトウォッシュは時間とともに硬化する。耐水性はあるが防水ではない。ホワイトウォッシュで作業しているときは手袋を着用しよう。

 オーブンの扉。内部に火が残っている場合は、オーブンの天板を使用して即席のドアを作る事が出来る。燃えさしを掃き出した後、木製のドアが使える。つまり、オーブンの扉は、断熱の鎖の弱いつなぎ目だ。私は何枚かのアルミホイルの層で包まれたセラミック断熱材のドアを使用している。

 天候からの保護。オーブンに雨がかかるなら、雨よけの屋根の下に建てるか、雨が降りそうな時にタープで覆って保護しよう。

 外部絶縁。風雨や寒い気候での保温性を向上させるには、燃えさしを掃除した後に、ドームをタープで覆う。オーブンの断熱が不十分だと気づいた場合は、特に氷点下の温度では、タープに使い古したキルトを縫い付けて、性能をさらに向上させることができる。

 

William Rubel は彼のオーブンで夕食をたくさん作っている。彼が謝意を向けているのは、手順を試した Devon Pearse と、本稿をチェックした彼とKiko Denzer。

 

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Building an Outdoor Oven

By William Rubel 

April/May 2017