コンポストを包み込み、敷地に生命と多様性をもたらすフェンスを作る。
文:ローラ・ラベンダー(Laura Lavender)
翻訳校正:沓名 輝政
もし、あなたのフェンスが生物だったらどうでしょう?一般的な防腐処理済み材やひし形金網のフェンスでは、生命の輝きを感じることはできません。生物のフェンスは、魔法のような考えに思えるかもしれませんが、庭に生命と多様性をもたらす素晴らしい方法です!画期的なコンセプトであるにもかかわらず、実は「生物のフェンス」は多くの住宅街で生垣という形で見かけることができるのです。
コンポストフェンスとは?
一方、コンポスト(堆肥)フェンスは、生け垣よりも型破りで冒険的なものです。コンポストフェンスとは、基本的に堆肥化できない強固な構造物であり、通常は2枚のフェンスで構成されます。メッシュの壁が並んでいて、その間に堆肥を包むためのポケットが作られています。この堆肥を包む構造は、カジュアルなものでも、格子状のパーゴラ形の派手なものでもよいです。そして 「中空フェンス」にあらゆる種類の堆肥を詰めて、分解させることができます。
コンポストフェンスに入れるのは、一般的に落ち葉や枝、多年草の刈り込みなど「茶色」のコンポスト素材ですが、何でもOKです!自然素材の塊は、騒音を遮断し、プライバシーを守るついたてとなります。さらに、コンポストは昆虫や鳥の生息空間にもなります。また、コンポストの微生物によって腐葉土が生成されるので、そこに丈夫な植物をメッシュ越しに挿せば、コンポストフェンスが緑に包まれます。
なぜコンポストフェンスなのか?
コンポストフェンスは、たとえ狭い庭であっても、木の枝や剪定枝を再利用できる便利な方法として、私は興味がわきました。春になると、木の剪定枝の山は埋立地か、よくても自治体のコンポストプログラムに送られる のが普通です。コンポストフェンスを設置することで、通常は廃棄物となるものを循環させて活用できます。
私たちが最初に作ったコンポストフェンスで、プライバシーを守るための壁として、風の通り道や歩道からの視線を遮りながら、日当たりのよい場所ができました。敷地の両側にはライラックの生垣が密集してそびえ立っていたので、伸びきったライラックの生垣がフェンスの材料になりました。ライラックの生垣を復活させるには、古い木をすべて切り落とすのが一番だと、さまざまな園芸関係の情報源で言われていて、私はこれを行い、しかも、フェンスを埋めるのに最適な大きさの枝や小さな木の幹を大量に生み出すことにもなったのです。
コンポストフェンスに入れられるこものは、他にもあります。
- 落ち葉
- 枝
- 木の幹。輪切りにして、フェンスに合う正しい幅にカットしたもの。
- 土壌
- 刈り草
- 松ぼっくり
- 松葉
- 岩石(質感と色のために)
- クリスマスツリーの枝
- 冬の休暇シーズンの天然の飾付け
- 古いブーケと観葉植物
さらに特典も
コンポストフェンスは、木の枝や落ち葉の受け皿になるだけでなく、次のようなメリットもあります。
- 昆虫の生息地
- フェンスの一角が腐葉土や土になり、植栽スペースが増加
- 鳥の避難場所
- 効果的なノイズ低減
- 風量低減
- 優れたプライバシー
- ツルアジサイなど気根でしがみつく、つる植物に適した場所
- 植え付けスペースができたら、丈夫な多年草やワイルドストロベリーなどの食用植物を育てるのに最適。
私は自作のコンポストフェンスにワイルドストロベリーを植えようと思っています。すでに上げ床で育てていますが、イチゴは垂直菜園に最適な植物です。ワイルドストロベリーはデリケートなので、フェンスタイプの植栽の恩恵を受けられると思いますし、よりどりみどりな場所にあると、多くの生き物が美味しいと感じるようです。また、丈夫な植物であることが多いですね。このイチゴは、たくさんあっても困ることはないでしょう!
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