ロサンゼルスの非営利団体ツリーピープル (TreePeople) は、熱をため込んで周囲の気温を上げるコンクリートなどの建築資材に覆われた市街地に日陰をつくることを目的として、木を植えるキャンペーンを数十年にわたって行ってきました。その手法は近隣住民をまとめて活動してもらうというものです。気候変動により都市の気温が上昇し、住民がかつてない猛暑に見舞われるようになりましたが、同団体の活動は都市で熱が蓄積するのを防ぎ、冷房に必要となる電力使用を抑えています。
翻訳:山下 香子
同団体によると、発足以来、植え続けてきた 3 百万本の木は動物たちの生息する場となり、人が採って食べることのできる実をつけ、水の節約に役立ち、土壌の浸食をゆるやかにしているので、その地域はより災害に強くなり、生物多様性に富み、より多くの水が確保できるとのこと。
2019 年初めにツリーピープルは、カリフォルニア州沿岸地域保全委員会 (California State Coastal Conservancy) の支援を得て、活動範囲をロサンゼルス市の外へと広げました。「緑の通り」を意味するカイェス・ベルデス (Calles Verdes) と名付けた 3 年計画のプロジェクトを開始したのです。このプロジェクトでは、サンフェルナンドで雨水が路面にたまらないよう排水し貯留する道路に改修するとともに市内の通りに沿って 750 本以上の木を植えることを計画しています。現在までに最初の 250 本の木が植えられました。日陰をもたらしてくれることになる、この木々が今後何年も茂り続けられるように同団体は周辺住民に木の世話の仕方を教えました。海水汚染を減らし [*1]、水を節約する [*2] 機能を道路に設置する工事には 2020 年に着手する予定です。また、サンフェルナンドの地下には帯水層があるので、そこから水を汲みだすことができれば、水の供給が増え、しかも、水質が良くなります。地域全体にその波及効果が行き渡ることが期待されます。
ツリーピープルの活動に参加したい方、学校や自宅や居住区を緑化するための援助が必要な方は www.TreePeople.org へ。
[*1: 路面にたまった雨水にはゴミや有害化学物質や細菌が混ざり込むので、海に流されると海水を汚染し、海の生態系にも人間にも害を及ぼすおそれがある。*2: 貯留した雨水を灌漑などに利用する。また、雨水の貯留機能は洪水を最小限にする効果もある。 典拠:https://www.treepeople.org/sites/default/files/pdf/about/2017%20TreePeople%20Fact%20Sheet.pdf]
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