早播き・早採り

マザーアースニューズ 自然 自給 DIY

種播きから数週間で収穫できるように、収穫までの時間が短い作物を植えよう。

文:パム・ドーリング (Pam Dawling)

翻訳:沓名 輝政

 

 自家栽培の野菜を早めに収穫して、春を迎えたいと思っていませんか?そんなあなたに朗報です。どの品種をいつ植えれば良いのかを知っていれば、成長の早い作物はすぐに収穫できます。本稿では、試してみたい作物のリストや、早期栽培のコツ、植物の成長を早める方法、狭いスペースでより多くの作物を栽培する方法などをご紹介します。

 

早く収穫できる野菜

 30~35日で収穫できるのは、ベビーケール(ケールの新芽)、ベビーマスタードグリーン(カラシナ)、二十日大根、ホウレンソウ、チャード(フダンソウ)、サラダ菜(レタス、チコリ)、ルッコラ、パースレインウィンター(学名 Claytonia perfoliata)などです。ビートの葉は、ほうれん草のように調理して食べることができます。ほうれん草は、サラダや料理に使います。(ただし、成長が早くて大きなホウレンソウは、暖かくなると長持ちしないことがあるので注意が必要です!) 「アカディア(Acadia)」と「リフレクト(Reflect)」という品種は、露地で春播きすると董立ちをうまく防げることがわかっています。

 アジア野菜(Asian green)の多くは40日以内に収穫できます。青梗菜、ターサイ、小松菜、水菜、「丸葉山東」、「Senposai[キャベツと小松菜の一代交配種]」、「東京ベカナ」、「Yukina Savoy[カールした大葉のターサイ]」などです。ほとんどの品種は、21日でベビーサラダサイズに、40日でフルサイズになります。春の播種から4~5週間後に移植するか、直播きします。アジア野菜にはレタスよりも成長が早く、魅力的な品種が豊富にあります。栄養価も高く、味もマイルドなものから辛味のあるものまでさまざまです。ケールを育てるように、アジア野菜を育ててみてはいかがでしょうか。ただし、春に種を播いたアジア野菜は、暑くなるとすぐに枯れてしまうので、一度にたくさん収穫できるように準備しておくとよいでしょう(たくさん植えた場合はそうですね)。その分、キムチを作ることができます。水菜をはじめとするフリルマスタード(カラシナ)は栽培が容易で、-4℃程度の冷たい湿った土壌にも耐えられます。また、暑さにもかなり強い(というか、暖かさに耐える)。21日後には、ベビーサラダに使うか、20~30cmの間隔で間引きます。マイルドな味わいの葉は、ミックスサラダのかさを増し、カットしても元気に再生します。 

 35~45日でできるのは、ミニキャロット(間引きしたもの、または畝全体)、カブの葉(さらに間引きしたもの)、エンダイブ、マーシュ(ノジシャ:学名 Valerianella locusta)、キバナクレス(学名 Barbarea Verna)、ソレル(スイバ)、パセリ、チャービル(学名 Anthriscus cerefolium)などです。小さめのカブの根で、45日以内に収穫できるものがあります。

 50~60日で収穫できるのは、ビーツ、矮性スナップエンドウ、ブロッコリー、コラード、コールラビ、カブ、小型キャベツ(「Farao(ファラオ)」と「Early Jersey Wakefield(アーリージャージー・ウェークフィールド)」)などです。

 キャロル・デッペが『The Tao of Vegetable Gardening』で紹介しているアイデア「Eat-All Greens」を試してみましょう。キャロルは青野菜を小さな区画に分けて植えます。背丈が30cmになったら、上から20cm強を切り取って料理に使い、固い茎の下の部分は残して、2回目の切り取りに残したり、土に戻したりするのです。キャロルは20年間、この方法を使って、少ない労力で素早く料理用の野菜を育ててきました。その結果「グリーンウェーブ」マスタード、「Shunkyo」と「Saisai」リーフラディッシュ、「Groninger Blue」コラード・ケール、バーガンディ・アマランサス、「東京ベカナ」キャベツ、「Red Aztec」ウアウソントレ (学名 Chenopodium nuttalliae)という7種類の野菜を推奨しています。キャロルが住んでいる太平洋岸北西部とは気候が異なるバージニア州で、彼女が推奨する品種を秋に育ててみました。ここでは、春に植えた野菜が董立ちするまでの期間が短いのです。私は9月中旬に種を播き、35日後に最初の収穫ができました。キャロルと違って、私は雑草が多かったので、野菜を数条並べて播き、その間に鍬を入れました。。。

 

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