緑の屋根を育てる

あなたの屋根を1年中快適に保つ素敵な植物の天蓋に変えてみませんか。

 

草屋根は景観に美しく調和。工夫次第では、安価に、無料でも作れる。Photo by Tony Wrench

 

 文:クリス・マクレラン (Chris McClellan)

翻訳:洲澤 朱美

 

建物がいつも景観の自然な一部分のように「ぴったりしている」のが好きです。泥や藁のような自然素材で壁を作り、できる時に地元の木材で作られた柱や天井と共に残り物の樹皮を使っています。私の好きな基礎は、見えないモルタルの石です。最も大きくて、一番目につく家の部分(そう屋根です)が、現代の建築資材にありがちで、景観から目立っていて嫌です。祖母が半分ホビットになると言い張っていたことと何かしら関係があるのかもしれません。そう、私は背が低くぽっちゃりして、素足で歩くのが好きという理由だけではないのです。思うのですが、小屋を覆うのに、生きている花、葡萄のつる、草の緑屋根ほどわくわくするような方法は無いと思います。

 多くの屋根は、経済性を第一に考えて建てられているようです。問題なく長くもつという全体的費用対効果を求める種類の経済性ではなく、単に手頃な価格の設置という意味で。25年や50年ではなく15年以内に交換する必要があるのかも、タールを含浸した残骸をどこに処分したものか、と心配させられる。もちろん、私はアスファルト屋根について話しています。至る所に見られます。なぜなら安くて本当に醜いので、皆で無視するのが暗黙の了解。表面的に綺麗にする傾向がある人は「建築用の認定品」のアスファルトの屋根板を注文することでしょう。それほど長持ちしませんが、違う色や形で売られており、さらにコストがかかります。

 金属の屋根は少し環境に良いです。金属屋根は長持ちする傾向があり、リサイクル可能。ほっておけば溝に落ちてしまう雨水をためて使うことも出来ます。持続可能な栽培をされた木材から作られた場合、木製屋根板は自然で再生可能です。スレートも自然でとても長持ちします。葦などの草葺き材料は環境に与える影響が非常に少なく、長持ちします。これらの選択は全て、特に屋根を長方形以外の形にしたい場合はかなり高価です。

 私の友人イアント・エバンス (Ianto Evans) は建物の屋根を良い帽子に例えています。雨、風、太陽を避けなければなりません。冬には暖かく、夏には涼しくなければなりません。私の所と同じような気候では、あなたの屋根も冬に何千kgもの濡れた雪を支えなければならないかもしれません。もちろんそれも、最初に人々が見るものがあなたの帽子であるので、見栄えがよくなくては。屋根は帽子のように変えるのは簡単ではないので、全ての季節に合った帽子にする必要があります。 

 「コブビル」(Cobvill) の愛称で呼ばれる、イアントのコブ・コテージ・カンパニー (www.CobCottage.com) 構内のコテージと中庭を歩き回ると、培養土と植物で覆われた防水膜だけで構成された建物の帽子が見られます。ほとんどの建築業者は、防水膜を保護するためのパッド層を追加し、また、余分な水分を取り除くために、排水層(通常は小さな丸い豆砂利)を加えます。水たまりは漏れや蚊を招き、水や濡れた土は危険なほど重くなる可能性があるので排水が重要です。

 派手な建築雑誌は複雑な草屋根システムを宣伝し、大きな渡り間を持つ重い屋根には特別な工事が必要です。しかし小さな建物のシンプルな草屋根は、植物やその培養土を慎重に選択すれば重くなることはありません。そのような設定で、従来の屋根の通常の荷重設計である3層の屋根板の重量よりも小さくすることができます。軽量のパーライト材を使用した特別な鉢植え栽培土壌がありますが、5〜8cm 厚の肥料や、ヤギや馬の糞に藁を混ぜて寝かせた肥料もうまくいきます。通常の土壌は、その構成材(砂、シルト、粘土)で、植物が最も必要とする栄養素や水分保持能力を追加せずに重さを増やすため、一般に重過ぎます。超軽量培養土で 5〜8cm 厚以上となると、通常より強い屋根構造が必要です。

 草屋根は高価なものである必要はありません。あなたがやりくり上手であればほとんど無料です。私は裏面に粘着性のあるビニール屋根膜の断片を使います。なぜなら屋根膜同士が互いに密着し複雑な屋根の形で機能するからです。しかも、ごみ捨て場で入手できます。私の知人には、使用済みのカーペットやなんとダンボール紙と共に何層にも敷き詰めたリサイクル広告用垂れ幕を使用している人もます。 

  「シンプル・ラウンドハウス・マニュアル (A Simple Roundhouse Manual)」の著者トニー・レンチ (Tony Wrench) は、コテージの屋根にEPDM材の池専用シートを使用しました。それは安くはなかった。だから予想寿命の50年以上でなく8年後に漏れ始めたときにはかなり失望しました。アリが穴をあけていたことが明白でした。彼が屋根をUV保護された防水シートで置き換えて以来問題はありません。どんな膜を使用していても、上下からの穿刺を防ぐ必要があります。あなたがそこに良いジャングルを育てると、どこが漏れたか分からないかもしれません。トニーの屋根は確かにジャングルです。自生の芝生に北極圏イチゴ(arctic strawberries)、セダム、葡萄のつるがあり、それが充分な日陰を作り、毎年約 16kg の葡萄が成ります。

 

コテージを断熱材で快適に保つ

 生活空間を覆う他の屋根と同様に、草屋根の上には断熱材が必要です。徹底的に安くして、私は中古のカーペットと厚紙で断熱しました。建築業のトニー・レンチ (Tony Wrench) は、膜の下に丸ごと詰め込んだストローベイルで居心地の良いコテージを保ちます。うまくいきましたが、20年後に修理を行った時、彼は膜の下の結露がストローベイルの外側 5cm で腐食をいくらか引き起こしたことを指摘しました。ストローベイル、ファイバーグラス、またはセルロースなどのいくつかの種類の断熱材は「呼吸する」必要があります。そのため、屋根の内部は、結露が逃げるように通気する必要があります。発泡断熱材は呼吸する必要がなく、単位長さあたりずっと効果的ですが、高価で環境コストも高くなります。

 セダムは草屋根に好んで使う植物です。他のほとんどの植物が枯れてしまうような極端な寒暖、湿気、乾燥状態を、住みやすい環境にするための密な根の構造を作るので土壌が少なくて済みます。その屋根はまた、美しい小さな花を育てます。いくつかの品種を混在させると1年の大半は絶え間なく変化する色をずっと楽しめます。または、私の友人が試したように1種類のみ植えると、年50週は茶褐色の屋根で、残りの2週はすばらしい紫色のカーペットになります。

 

自分で緑の屋根を造ろう

建築家シギ・ココ (Sigi Koko) は、特に大きなプロジェクトでは経験豊富なデザイナーや技術者に相談することを勧めています。草屋根は、その荷重に平米あたり 49~244kg が追加されるので、屋根に重量追加が可能か調べる必要があります。小さな屋根と小さな梁を備えた既存のコテージや小屋には、追加の構造なしで草屋根をのせても良いでしょう。あなたがそのような建物を計画している場合、屋根の外装を1.3〜1.7cm にし、垂木と梁を 2 x 6 から 2 x 8 にするだけで十分です。

 ミシガン州オックスフォードのデュアン・ベッドナー (Deanne Bednar) は、草屋根に地域の野生植物を使用するのが好きです。「『自生植物』は一般的にその特定の場所で非常に順応しています。とてもなじみます。しかも野性植物はふつう集めるのは無料で出来ますよ。」と彼女は言います。彼女の森で見つけた野生のゼラニウムは、渦を巻いたシダ植物と現地のセダムと一緒になり、彼女の薪小屋を覆っている堆肥層を完全にコロニーとして形成しました。トニーのように、デュアンは自分の麦藁の混合肥料を役立てて腐敗した木片を混ぜ入れて落ち着かせつつ、植物を定着させました。腐敗している木材は、植物がそれらにアクセスできる場所で、追 加の湿気や栄養を保持するスポンジのようにも機能します。デュアンのやり方の詳細は、彼女のブログのストローベイル・スチューディオ (www.StrawbaleStudio.org) をご覧ください。

 建築家シギ・ココ (Sigi Koko) は、草屋根をさらに研究した手法を取っています。彼女の建物は美しいですが、草屋根で見られるメリットは見た目をはるかに超えています。彼女は、下に流れる時に洪水や浸食を引き起こすような普通は直接急いで流れる暴風雨から、草屋根が、どのように雨水を捕まえてゆっくり流すのかを説明します。植物は家の周りの空気を綺麗にし、年中快適に温度を保つのに役立ちます。特に夏の日、屋根に降リ注ぐ太陽光を防ぎます。屋根が「汗をかく」時、大きな蒸発冷却器のように、より多くの熱を空間に放射します。

 この一例は、テキサス州郊外の裏庭で、オークのキャノピーの下に建てられた現実のホビットハウスです。近隣の子供たちは、厚さ 60cm の土壁と草屋根が暑い夏から寒い冬にかけて、遊び場を快適に保っているので大好きです。テキサス州ベルトンの建築業のトレーシー・マククラウド (Tracy McCloud) は、以前はコンクリートと鋼鉄しかなかった風景に溶け込む、草屋根のある小さなコテージが大好きです。地域の鳥は捕食動物から安全な草屋根の上に巣を作る方法が大好きで、その糞から発芽する種子は、様々な干ばつに強い自生の草で屋根を覆うのに役立っています。「それは独自の小さな生物圏です。」トレーシー氏は言います。 「まさにテキサスのこの場所を覆っていた大草原のようなものですね。」

 

 

Chris McClellan(「泥おじさん」の愛称で呼ばれる)は、オハイオ州郊外の大自然の中で自由で自然な子供達を育成しています。泥とガラクタの建物は、自己エンパワメントを説くための場所。執筆、建設、ワークショップ開催をしています。

 

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Grow a Green Roof

By Chris McClellan

February/March 2018