このユニークな手法で、冬でも限りあるスペースで育てた、サラダ用の葉物を育てよう。
この方法を使って台所の戸棚や窓辺で、あらゆるサラダ用の葉野菜を育てることができます。PHOTO BY PETER BURKE
非常にシンプルなアイディアが、室内サラダ・ガーデンを作ることにつながりました。冬の間中、新鮮なサラダに入れる葉野菜が欲しかったのです。ある秋の午後、私が庭の冬支度をしていて、来年用のにんにくを植えている時、この欲求が起きました。
食料庫、地下貯蔵庫、そして冷凍庫には季節に収穫したもので溢れていました。ただ1つ私の食料庫に足りないものは、新鮮なサラダ用葉物でした。ただ、これらを貯蔵する術は全くありません。そこで私は違った方法で実験をしてみました。そこで発見したことは、私の期待を超えたもので、とうとう「Year-Round Indoor Salad Gardening(室内で1年中行う、サラダ・ガーデニング)」という本にまでなりました。私は今では、台所の食器棚や窓辺で家族4人が必要な、あらゆるサラダ用の葉野菜を作ることができます。光や、特別な装置や、温室は必要ありません。
風変わりなサラダ用の葉野菜をいろいろ収穫する私に、妻は慣れていたので、私がヒマワリの葉、エンドウ豆の新芽、蕎麦の青葉、そしてカイワレの収穫を始めたのを見ても、仰天することはなく、ただ面白がっていました。瓶の中で栽培する一般的なスプラウトのように短期間で育ちますが、土の中で育てることから、私はこれらの葉野菜を「土壌スプラウト」と読んでいます。土壌で育てると、ヒマワリや蕎麦は種皮付きのまま育てることができますし、十分な湿度を保つことができるので、水遣りは1日1回で済みます。もし南向きの大きな窓がないから育てられないと思っているなら、必要ありませんので安心してください。私が育てている野菜の1つは小さな北側の窓に置いています。私は毎日400gの野菜を5つの7.5cm×15cmのアルミ製の食パン用の焼き型から収穫しています。たまに2倍の量の野菜を収穫したい時には、10cm×20cmの焼き型を使います。
土壌スプラウトを育てるために必要になる物のほとんどは、すでに台所にあるでしょう。私は、作業をしたり室内ガーデニング用の道具を保管するのに使う、しっかりした蓋付きの箱を2つ持っています。1つは種用の箱で、種や計量するための道具や、種を水に浸すための容器が入っています。この種用の箱は完全に乾燥させていなくてはいけなくて、種をうまく発芽させるため、中には濡れていたり、たとえ湿っている物でも入れません。私はだいたい、2ヶ月分、それぞれ4カップの、ヒマワリ、カイワレ、蕎麦、エンドウの種と、約1カップのブロッコリーの種と、それ以外に数種類の特別な種を入れています。また、いくつかの種を混ぜたものを入れた容器も入れてます。私は種を混ぜ、それを1つのトレーに植えるのが好きです。これは一人か二人用の少量の栽培に、うまくいきます。
もう片方の箱には土と、種を植える時に使うものが入っています。私は7.5Lの発芽用の土、消毒済みの土と言われることもある、ピートモス、パーライト、バーミキュラが入った土を用意しています。これは菜園家が植物を鉢植えする時に最初に使う物とほぼ同じです。私は種を植え付ける前に、1Lの水を4Lの乾いた発芽用の土に入れます。土を混ぜるための4Lのプラスチック製の容器と、3カップのコンポストの容器、1カップの海藻粉の容器もあります。そしてスコップ、メジャー用スプーン、植え付け用のトレーも持っています。というのも、土は湿っているので箱自体が湿気て、種によくないからです。食器棚や戸棚を使うこともできるのですが、私たちの台所は狭く、この2つの箱に全ての道具や材料を入れておくことで、毎日の植え付けのために台所に持ち込み、そして自分の仕事部屋へ戻すことができます。
室内サラダ・ガーデンの作り方
この簡単な手順で、種から7日〜10日でサラダを作ることができますが、サラダ・ガーデンをオモチャの庭と間違わないでください。見かけによらず、たくさんできます。1エーカー(4,000平米)の広さにこれらの小さなトレーを置こうとしたら、年間の収穫量は、食べられる量をはるかに超えるでしょう。もしあなたが二酸化炭素排出量を減らしたり、地産地消することを考えているなら、両方の目的を達成できる、シンプルで満足できる方法と言えます。
私の日課は育てたい種を、水に浸すところから始まります。新鮮な水にヒマワリ、エンドウ、カイワレ、蕎麦の種を、それぞれ大さじ1杯と、ブロッコリーの種を小さじ1杯、入れます。これが1日に最低必要な量で、だいたい400gの葉物を作れます。種は、播くまで6時間から24時間の間、水に浸しておく必要があります。ブロッコリーやマスタードなどの、より小さな種でさえ、そのくらいの長さが必要です。私は100ml弱のプラスチック製のカップか、小さめのガラス製のメイソンジャーを使います。何を使おうと、防水でなくてはいけません。私は一度、一晩で崩壊した紙コップを使って失敗したことがあります。水はカップの縁一杯になるまで入れてください。種はとてもたくさんの水を吸収するからです。私は前日から浸していた種を、トレーに播いて水遣りをする夕方に、種を水に浸し、それを翌日に播くということを習慣にしています。
もし種を24時間水に浸したのに、それを播く時間がないなら、容器の中の水を捨て、そのまま種を、容器の中で発芽させてください。完璧とは言えませんが、ちゃんと収穫はできます。
種を水に浸したら、土をしっかり湿らせます。1Lの水につき、4Lの乾いた土を使います。土の準備ができたら、種を蒔いた各トレーに被せるため、新聞紙を数枚たたみます。濡れた紙は、土のみ使う場合より種をより湿らせ、また濡れた土よりも清潔です。それに加え、濡れた新聞紙は、種の発芽を必要以上に早まらせる光を遮るのに役立ちます。
種を播く準備ができたら、大さじ1杯のコンポストと、小さじ1/2杯の海藻粉をトレーのそこに撒きます。それからトレーの縁から5mmほどの所まで、湿った土を入れます。種のため、そして撒いた水が土に染み込む間の余地として、少しだけ高さを取っておく必要があるでしょう。それから土を平らにします。種を土の上に播きます。種は埋めないでください。その代わりに濡れた新聞紙を被せるのです。
種を蒔いて、新聞紙を被せたら、トレーを暖かくて暗い場所に、翌日から数えて4日間置きます。私は冷蔵庫の上にある食器棚を利用していますが、暖かくて暗いです。薪ストーブのそばの、暖かくて暗い食器棚もあります。タンスや、暖かい場所の床に置いたダンボールの箱を使うこともできます。全くどこにも暖かい場所がなかったとしてもこの方法でうまくやれるでしょう。ただ新芽が3cm弱まで成長するのに5、6日かかります。
この手順を全て行うことで、早く発芽させて成長させます。茎を太く短くさせるため、発芽するとすぐに光に当てている、菜園家や農家の方達には、このやり方は逆だと感じるかもしれません。一方でこの種達は、窓辺に置いて太陽光に当てるまでの間、光を求めて茎を長く伸ばすことになるでしょう。
野菜が3cm弱の長さで突き出してきて、濡れた新聞紙が、まだ黄色い色をした葉っぱの先に乗っかるようになったら、私は、盛り上がり日とか、野菜の暗闇期間最後の日と呼びます。この日がトレーを日の差す所に移動させたくなる日となるでしょう。私は幅50cm、奥行き30cm、高さ180cmの、自立型の棚を持っていますが、これにはトレーを暗い所に置いておける戸棚が付いていて、その戸棚の上に4段の棚があって、トレーの野菜を緑に色づかせ、成長させることができます。4人分のちょうど良い量のトスサラダ用の葉物野菜を育てるために必要な、ギリギリ最小のスペースを説明するのに、この棚はちょうど良いです。
野菜が15cmから25cmの高さになったら、収穫しても良いでしょう。私はハサミを使うのが好きですが、よく切れるナイフを使ってもうまくいきます。最初に、残っている種皮を取り除いてから、土壌から5mmほど上を切ります。私は切った野菜を浅い容器に乗せて、綺麗な水でゆすぎます。水をかけることで、残った種皮は表面に浮き出て、容器の縁から外に流されるでしょう。
野菜は細かく、茎の根元から5mmくらい、葉先の方はもう少し長く、切っていきます。茎の根元は普通柔らかいですが、長く伸びるほど、茎の根元が硬くなります。蕎麦の青葉やカイワレ、ヒマワリの葉は茎を切らなくても十分柔らかく、サンドイッチに乗せることができますが、私はサラダに使うために、細かく切るのが好きです。
ほとんどの地域の農産物販売所は、オーガニックの種を1kgや2kg入りの袋で扱ってはいません。普通は、30gのパックで売っているだけで、この目的のために買うには高すぎます。私はインターネット販売をしている種屋を利用してきました。ジョニーズ・セレクティッド・シード(Johnny’s Selected Seeds)や、ハイ・モーイング・オーガニック・シード(High Mowing Organic Seeds)、ハンディ・パントリー(Handy Pantry)などの種屋です。そして私も自分のインターネット店、ザ・デイリー・ガーデナー(The Daily Gardener)を運営しています。今は多くのカタログに、スプラウト用の種が載っています。でも大量購入する前に、始めるにあたっては、まず種の発芽率や、新芽の大きさを気に入るかどうか確認するため、少量を購入することをお勧めします。
これが全てです。この室内サラダ用ガーデンの方法は、ひらめきで始めた時の私の期待や希望の全てを超えてます。
熱心なガーデナーであり、著者である、ピーター・バークは、2006年から菜園クラスで教えています。彼はまた、The Daily Gardener(ザ・デイリー・ガーデナー)という、室内ガーデニング用のオーガニックの種を販売する店も始めました。彼は家族とバーモント州のカレーで暮らし、菜園をしています。
たのしい暮らしをつくる
マザーアースニューズ
Grow a Year-Round Indoor Salad Gardening
By Peter Burke | December2017/January2018
コメントをお書きください