この力強い道具たちを非常用道具一式に加えよう — きっとキャンプを盛り上げて災害時に役立ってくれるはず
文:ライアム・キヴィリスト( Liam Kivirist)
翻訳:浅野 綾子
ますます増える科学技術製品の品ぞろえは、停電や自営農園での災害、自然の中でのキャンプという極限状態の中で生き抜くという試練を乗り越える助けになるでしょう。
昨年1月にラスベガスであったコンシューマー・エレクトロニクス・ショー (Consumer Electronics Show) で見つけたのは、BioLite キャンプストーブ2に、URB-E スポーツ電動自転車、LuminAID パックライト・ノバ USB、Power Practical ルーミヌードル・ライトロープ。それからというもの、自営農園を進化させて守りも固めることができるようデザインされている他の科学技術製品を試し続けています。自営農園と言えば、ウィスコンシン州南にある我が家の農園もその1例。そこで私たちは、イン・セレンディピティ・ベッド&ブレックファースト (Inn Serendipity Bed & Breakfast) という宿も経営しています。試した製品はといえば、Solavore スポーツ・ソーラーオーブン (Solavore Sport Solar Oven)、Blink ワイヤレス・セキュリティカメラシステム、LuminAID パックライト・マックス 2-in-1 携帯充電器、DJI ファントム 4Pro+ドローンです。
「備えよ、常に」は、ボーイスカウトアメリカ連盟のモットー。ウィスコンシン州ウッフォードの近くのブラックホーク記念公園で行われた直近のキャンプで、私の家族とボーイスカウトの部隊は自分たちの非常用道具一式に入っている科学技術製品をいくつか試しました。多くの自営農園家やプレッパー、キャンパーなら分かるように、道具があるからといって非常時に機能させることができるとは限りません。外で道具を使う練習をすること(説明書や製品ガイドラインを見なくてもできる状態で)は、絶対不可欠なのです。
私たちが公園にいたのは、ブロッディーレイク・ランデブー (Bloody Lake Rendezvous) として知られる、1840年代前を再現するキャンプという生きた歴史を経験するためです。このキャンプは、サバイバルスキル、プリミティブキャンプ、火を起こしての炊事、トマホークスローイング[投げ斧]の実践を熱く望む人たちのたまり場。イエローストーンフリント&キャップクラブ (Yellowstone Flint & Cap Club) の主催で、ブロッディーレイク・ランデブーは、毎年5月の第1週に行われ、私たちは毎年参加しています。このようなイベントは他にも多くアメリカ中で行われており、そうしたイベントでは、熱心なキャンパーが鍛冶や物々交換、ナイフ投げの技術を惜しみなく教えてくれます。
このキャンプで使用したり、我が家の自営農園で防災に使っている科学技術製品いくつかのまとめと評価を以下にお伝えしましょう。
BioLite キャンプストーブ2
BioLiteのショップ(BioLite Energy)で 129.95 ドル
木を燃料とするBioLite キャンプストーブ2を使えば料理 ー 焼いたり煮たり、充電も可能。お湯を沸かす間やキャンプでの食事を準備する間に発電するのです。何と言ってもすごいのは、このストーブの燃料は木の棒切れや小枝で済むこと。非常時やキャンプ中、他の多くの燃料源と比べて見つけるのはずっと楽です。
発電した電気でできることは2つ。まず、煙の出ない炎が出るよう、後方部 [燃焼部分がある] に風を送る内蔵ファンを作動させます。小枝など木を使って料理をする時、化石燃料を何も使わないでクリーンなエネルギーで燃やすことができるのです。2つ目は、ストーブの側面にあるUSBポートに余った電気を蓄電して、スモールデバイスに再充電ができることです。
5分もかからずに、BioLite キャンプストーブ2に火を起こして、朝のホットココア用にお湯を沸かしました。ファンの速度は4段階になっていて、内蔵ファンが送る風で空気の回りが良くなるように調整できます。森では充電切れになるはずのスマートホンの非常用電源にもなりました。
LEDのダッシュボードに、火力、電気の出力、ファン速度がリアルタイムで表示されます。このストーブのフレックスライトは、夜間の明かりとしても使用可能。BioLite キャンプストーブ2の仕様はコンパクトで、大きさは13X20cm、重さ0.9kgです。
LuminAID パックライト・ノバ USB
LuminAIDのショップ(LuminAID)で 19.99 ドル
LuminAIDは、ハイチや他の場所で起こった地震後の救援活動に協力しようと、2010年にこの製品を企画したコロンビア大学の建築学の学生だったアナ・ストーク (Anna Stork) とアンドレア・スレシャッタ (Andrea Sreshta) が始めた会社。この製品以上に、LEDランプを明るく、安全、簡単に使用できるようにするものはありません。空気を抜いた140gのこのライトをバッグにとめるだけで旅先へと出発可能。7~10時間、空気注入式ライトの上にある高性能なソーラーパネルに直射日光をあてたら、夜に使う準備ができました。
内蔵バッテリーの充電保持期間は2ヶ月。自営農園や農場で備える非常用道具の1つに最適です。USBを使っても再充電可能。電源を入れるには、ライトを広げて、小さなチューブで空気を入れるような感じで膨らませ、必要なところに吊るします。この製品は丈夫で防水、水に浮きます。3段階の明るさで最も明るいのは75ルーメンで、点灯継続時間は約5時間。十分な持続力です。
私たちはこのランタンを洗い場のキャノピーに設置したり、夜間トイレに持ち出したり、深夜の読書ライト用にテントの先に吊るしたりしました。ろうそくや灯油のランタンよりもずっと安全です。
Solavore スポーツ・ソーラーオーブン
Solavoreのショップ(Solavore)で 287 ドル
自営農園での非常事態の際、サバイバルに最も重要な2つの要素は食べ物と水。Solavore スポーツ・ソーラーオーブンなら、ガスも電気も全く使わずに、簡単にこの2つを用意できます。もっとも、太陽の光は必要。この持ち運びできるオーブンなら、太陽光だけで150℃まで加熱できます。
激しい嵐の後で停電になり電気が使えないなら、天候が回復した後の炊事に、このオーブンが便利で手間のかからない調理道具になります。そう、生の野菜や肉、その他の生鮮食品を傷む前に料理できるのです。水も加熱殺菌可能。数時間水をただ加熱しておき、付属の水加熱殺菌表示で安全性を確認します。
Blink ワイヤレス・セキュリティカメラシステム
Blinkのショップ(Blink For Home)で 169.99 ドル
Blinkの家庭用セキュリティカメラシステムなら、機械にそんなに詳しくない人でも、簡単にあまりお金をかけないで、遠隔地から自分の自営農園を確認することができます。このシステムは、取り付けに時間がかからず、モニター使用もBlinkホームモニターアプリケーション利用で簡単。アプリケーションは、スマートホンやタブレットのiOSやAndroidで入手できます。
たった15分で、Blinkシンクモジュール [Wi-Fiでモニタとカメラをシンクロさせる] と2台のカメラを準備できました。カメラはバッテリー駆動なので、電源からコードを引く必要はありませんでした。しなければならなかったのは、シンクモジュールをインターネットルーター近くの壁に差し込んで、この機器のBlinkホームモニターアプリケーションでシステム設定することだけ。離れの建物でWi-Fiの電波が入るなら、家畜の見守りにもBlinkのカメラが使えるでしょう。
システムが起動したら、動くものを感知すると撮影してスマートホンに知らせてくれるようになります。それぞれのBlinkカメラは、室内温度が特定温度より上下した時に通知設定ができる温度計を内蔵。真冬の外出も安心です。
私たちは、侵入者があった場合に容姿を録画できるようBlinkのカメラ1台を玄関に設置しています。地下室で様々な役割をこなすのは2台目のBlinkカメラ。昨年の収穫物の保冷を確認に、我が家の古い大型の箱型冷蔵庫の表示ランプを手間なく点検してみたり、風力タービンのインバーター上にあるLED表示の監視に使ったりします。BlinkはXTモデルも製造。防水でアウトドアにも使用でき、夜間撮影機能がついています。
Power Practical ルーミヌードル・ライトロープ
Power Practicalのショップ(Power Practical)で 19.99 ドル
たったの130g、防水で明るくしなやか、USB電源で150cmのこのライトロープは、バックをずっしり重くすることなく必要な明かりを届けてくれます。様々なUSB電源またはユニバーサルバッテリーパックで使用可能です。
キャンプ中、アウトドアキッチンの明かりにと、このライトロープを付属のスライドマグネットを使ってポップアップ式のキャノピーの金属部に取り付けました。付属の万能ひもや汎用リングでもキャンプ用品に取り付けることができます。付属のナイロンバッグにぽんと入れればキャンピングランタンとしても使用可能。私たちのこの150cmの細長いライトロープは、明かりとして十二分の約180ルーメン。Power Practicalでは、360ルーメンの300cmルーミヌードル・ライトロープも製造販売しています。このライトロープを購入して約1ヶ月後、激しい嵐で停電に見舞われた私たち。このルーミヌードルが地下室への通路を照らしてくれました。
URB-E スポーツ
URB-Eのショップ(URB-E)で 899 ドル
URB-Eは、世界で最もコンパクトな電動自転車。小さいながらも、非常時かどうかにかかわらず便利です。走行距離は32kmまで。生活必需品の補充に町へダッシュしたり、緊急で病院に向かう時でも使うことができる、最後の1km+α走りに最適な自転車です。普段使っている自動車などで家から一般道に出られない時でも、軽量で短距離走行仕様のこの電動自転車を使えば外出可能です。
従来の電動スクーターと違い、URB-Eスポーツは、13.6㎏、100cmX40cmの持ち運びしやすい形に折りたたみできます。大型の36ボルト、30セルバッテリーが、32kmの走行を可能にして、電子機器の電源としての利用も可能に。必要時には、ノートパソコンの充電にも十分使うことができます。
Kaito KA550 ラジオ
Kaitoのショップ (Kaito) で 59.99 ドル
我が家の非常用道具一式にさらに加わったのは、手回しハンドルもしくは太陽光で動くラジオ。停電やネットがつながらない異常気象時や災害時に情報を届けてくれます。Kaitoは、豊富なサイズと様々な特徴のあらゆる非常用ラジオを製造。もしもの時の充電を確実にする手回しハンドルとソーラーパネルが、多くの製品についています。Kaito KA550は、手回しハンドルやソーラーパネルシステムが装填され、再充電できるバッテリーパックも内蔵。停電になった後もラジオ情報が途切れないようデザインされています。いざという時には単2電池でラジオ電波の受信を継続。一般的なAM・FMラジオ機能に加えて、フラッシュライトも内蔵され、スマートデバイスの充電機能もついています。
DJI ファントム 4 プロ+ドローン
DJIのショップ (DJI)で 1,799 ドル
悪天候や災害に見舞われた時、状況を見極めることは必須。あなたの農場の多くの場所は、水が上がっていたり、木が倒れたり、建物が倒壊したりで立ち入ることが困難かもしれません。同じ問題が非常事態後の建物にも言えます。特に、外観上ダメージを受けているように見え、構造的な被害が不確かな建物の2階以上や屋根の部分です。ドローンは、嵐が過ぎ去って落ち着いた時、土地や建物のダメージを遠隔地から見極めるのに重宝します。ライブ動画の送信に役立つ何台ものドローンを用意して、1時間半までの飛行時間を使えば、自宅の安全な場所にいながら、水があふれる牧草地にいる家畜を確認したり、状況確認に離れの建物の航空写真を撮ることができます。自分の身を危険にさらす必要がないのです。
より簡単に、安全に飛ばすという点で、ドローンは飛躍的に進化しています。GPSと衝突回避システムが内蔵されたほとんどのドローンは、怖ろしいほど安定して難なく飛行します。初心者でも、ベランダの安全な場所から、フェンスや家畜、建物を調べて動画を撮ることができるのです。
おまけに、もしも災害が起こってしまったら、危険な状況の中で被害の画像を様々なアングルから撮影することは、保険の査定を受ける際、保険会社があなたの請求を検討するのに大変役に立つでしょう。ドローンの航空写真と動画は、保険会社があなたの損害をよく把握し、どの修理をカバーできるかについてあなたに速やかに連絡できるようにしてくれるでしょう。
LuminAID パックライト・マックス 2-in-1 携帯充電器
LuminAIDのショップ(LuminAID)で 39.99 ドル
このパックライト・マックス 2-in-1 携帯充電器は、LuminAID製造の最新式の空気注入型防水ランタン。これよりもコンパクトで汎用的なソーラー充電器はありません。太陽光で12~14時間充電すれば、この製品は、内蔵バッテリーとUSBポートでほとんどのスマートホン(もしくは他の小型電子機器)をフル充電することができます。最も大事な時、携帯、非常用ラジオ、もしくはGPSに肝心要の充電をするのに最適です。
バッテリー充電に必要なのは晴天のみ。2、3回息を吹き込めばランタンがふくらみます。前述したLuminAIDパックライト・ノバUSBのように、この携帯充電器は携帯可能で、クリップでバッグに留めておく間に簡単に充電できる仕様。バックパックでの移動や非常用のオフグリッドのライトに最適です。このパックライト・マックス 2-in-1 携帯充電器のライトは、パックライト・ノバUSBよりもずっと明るく、150ルーメンです。
ライアム・キヴィリスト (Liam Kiviris) は、科学技術ライター、プログラマー、自然愛好家、フリーランスウェブ作成者。ウィスコンシン州の農村地域にある小さなオーガニック農園で家族と暮らしている。 Tech Socketでライアムとつながりましょう。
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マザーアースニューズ
Homestead Technology for Disaster Preparedness
December 2017/January 2018
By Liam Kivirist
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