雨の日も晴れの日も、毎日の仕事を乗り切れる丈夫な合板の手押し車を作ろう。
文と写真とイラスト:ピーター・チェイサー(Pete Chasar)
翻訳:沓名 輝政
オレゴン州の湿潤な海岸気候では、錆びたり腐ったりする市販の手押し車に不満を感じていた私は、外装用合板を使って手押し車(「Plybarrow(合板手押し車)」と呼びます)を作ることにしました。
手押し車を合板で作ることにしたのには、いくつかの理由があります。まず、他の DIY 手押し車の設計を見てみると、多くの異なる素材を組み合わせ、複雑な接合をしているものが多いことに気づきました。私はこれを避けたかったので、設計の大部分を提供できる素材「合板」を見つけ、1 箇所を除いてすべての接合部に 90 度の突合わせ継手を使用し、接合をシンプルにしました。
2 つ目は、合板がすでにあったことです。T1-11 という外壁材(我が家の外壁に使われているものと同じもの)の一部分を使いました(住宅用に作られた合板なので、手押し車の側面には溝があります)。車輪と木工用防水接着剤以外の材料は、他の作業で余ったものや廃材を再利用したものです。
最後に、合板は比較的薄くても、あらゆる方向に強い。私が使用した合板は 5/8 インチ(16mm)の厚さで、この手押し車は十分な強度があります。
道具と資材
- 巻き尺
- さしがね
- 丸ノコ、ジグソー、テーブルソー
- 鋸で切るためのストレートエッジガイド(丸ノコガイド定規)
- 面取り用のヤスリ、サンディングブロック、または電動サンダー
- 電動ドリルドライバー(下穴あけ、皿穴あけ、ネジ打ち用のビット付き)
- 長いクランプまたはダクトテープ
- 4 × 8 フィート(122 x 244cm)、厚さ 5/8 インチ(16mm)以上の外装用合板
- 1-½ インチの #6 ステンレス製皿木ネジ(側板用)
- 1-¼ インチの #6 ステンレス製皿木ネジ(脚用)
- 5/8 インチ(16mm)の #8 ステンレス製のナベ小ネジ(車軸と脚のブレース用)
- 脚のブレース(補強材)用の 1/2 インチ(13mm)のアルミニウム管、EMT 電線管、または銅管
- 15-½ インチのタイヤ付き車輪とそれに合う車軸
- 1/2 インチの パイプストラップ(車軸用)(2 個)
- 木工用防水接着剤
- 外装用の塗料とプライマー(下塗り塗料)
- 木工用接着剤を塗るための小さなブラシ
- 2 または 3 インチ(50 または 75mm)の絵筆
- 金属製またはゴム製の小型バンパー(脚の先端と荷台底部の先端用)
合板手押し車の特徴と考慮点
構造設計。私が設計した手押し車は、荷台の底板、2 枚の側板、荷台の前板、2 本の脚という 6 つの基本的な 合板部品で構成されています。前板は手押し車の荷台の筋交いを兼ねてお り、底板の先端は手押し車を前に傾けて中身を捨てるための支点になっています。取っ手は、側板の両端を先細りにして、握ったり持ち上げたりするのに適したサイズと形状にしました。脚を安定させるために、余っていた 1/2 インチのアルミ管を使ってブラケットを作りました。EMT(electrical metallic tubing)電線管や硬い銅管、あるいは合板を切って作った三角形のブロックなどを使っても良いでしょう。
この設計のもうひとつの便利な特徴は、合板を丸ごと一枚必要としないこと。実際、木取り図(上)のように、5/8 インチ厚、4 × 8 フィートの外装用合板の一部だけを使って、手押し車を作れるのです。3/4 インチ(19mm)厚の外装用の合板を使えば、もっと大きな手押し車を作ることができますが、4 × 8フィート板全体が必要になるでしょう。
防水。すべての接合部に強度と防水性を持たせるために、ネジと防水性の木工用接着剤を使って固定しました(耐水性の接着剤ではなく、必ず防水性の接着剤を使うこと)。ネジは腐食防止のためステンレス製で、接着剤が硬化している間はクランプの役割を果たします(接着剤が硬化した後でも、ネジを取り外さないこと)。真鍮や亜鉛メッキのネジを使っても良いです。
外装用の合板を使ったとはいえ、水の浸入を防ぐためのシールが必要です。水が浸入すると合板が剥離してしまうので、特に鋸の切り口は注意が必要です。接合部に使ったのと同じ防水接着剤を、最初の組み立ての後、すべての切り口にたっぷりと塗りました。全体の仕上げには、私の家の手入れに使った残りの外壁用アクリルラテックス塗料を使いました。
車輪と車軸。この設計では、15-½ インチの車輪を車軸に取り付けますが、車軸は朽ちた古い手押し車から再利用したものです。本当は車輪とタイヤも古いものを使いたかったのですが、タイヤの空気が抜けてしまっていたので、新しい車輪とタイヤを購入しました。サイズの違う車輪を使う場合は、取り付け位置、場合によっては車輪用の開口部を調整する必要があります。
サイズと強度。私の手押し車は、マルチや表土、落ち葉を運ぶような、日常の簡単な作業に適したサイズと構造になっています。業務用の重装備ではありません。しかし、基本パーツの寸法を大きくしたり、厚めの合板を使ったりすれば、もっと大きく頑丈なものができるはずです。また、それぞれのパーツに同じ厚さの合板を使う必要はありません。例えば、荷台の底板だけでも厚めの合板を使用すれば、全体の強度が上がり、側板を固定するネジの位置も調整しやすくなります。。。
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