ライン 3 パイプラインに抗議

マザーアースニューズ 自然 エネルギー 環境

ミネソタ州で計画されているパイプライン「ライン 3」の拡張工事に対する抗議活動が活発化しています。

 

Photo by Gláuber Sampaio on Unsplash

 翻訳:沓名 輝政

 

   6 月初旬に開催された「Treaty People Gathering」では、彼らの抵抗活動に全米が注目するように、何百人もの人々が一斉に市民的不服従行為を行いました。

 カナダのエンブリッジ社が 30 億ドルの拡張工事をしていて、現在最終段階に入っています。これにより、パイプラインのサイズが拡大し、アルバータ州エドモントンからウィスコンシン州スーペリアまで、1 日あたり 76 万バレルのタールサンドを運べるようになり、新たな地域を経由することになります。ライン 3 は、ミネソタ州のミシシッピ川をはじめとする 200 以上の水路を横断し、アニシナベ族が狩猟、漁業、採集、野生米の収穫などの権利を持つ、条約で保護された何百マイルもの土地を新たに横断することになります。

 反対派は、このパイプラインが先住民の条約上の権利を侵害しているとし、この地域の湖、湿地帯、野生の稲の生育地に深刻な影響を与える可能性を指摘しています。

 300 以上の環境保護団体、信仰団体、先住民族団体が、バイデン大統領にプロジェクトの中止を求める書簡に署名しました。署名者によると、パイプラインは「石炭発電所 50 基分に相当する二酸化炭素を排出し、操業開始から 30 年間で、気候変動の影響により社会に 2870 億ドル以上の損失を与える」とのことです。また、6 月にミネソタ州マーノーメン近郊のホワイトアース保留地で開催された「Treaty People Gathering」は、非暴力でプロジェクトの作業を阻止するための大規模な動員を行うことで、バイデン氏だけでなく、一般の人々の注目を集めることを目的としていました。パイプラインの建設現場では、一部の抗議者が機器に体を固定し、100 人以上の抗議者が逮捕されました。

 大統領がパイプラインの建設を中止させる以外にも、ミネソタ州の裁判所が今年の後半に複数の控訴を審理することで、建設が中止される可能性もあります。

 

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