文:サミナ・ランホルツ (Samina Langholz) とアンドレア・ブルギ (Andrea Brugi)
写真:ディッテ・イサガー (Ditte Isager)
翻訳:松並 敦子
私たちは木工細工を生業としている夫婦です。物事をシンプルにすることが好きです。より少ないものからより多くのものを作り出すこと、失敗を受け入れて失敗から学ぶこと、手元にある素材から自分たちのデザインを実現すること、そして、常に可能性に心を開くことが、私たちの信念です。私たちの作品はどんな家庭にも必要で、楽しく使えるうえに、使えば使うほど美しくなっていくものだと、アンドレアは常々感じています。間違いなく、私たちが作り出すアイテムには独特な個性があります。天然木を使っているので、ピカピカした完璧な形ではないかもしれませんが、全ての作品がそのままで唯一無二な存在です。
こうして作り出した作品の 1 つ 1 つは、高度な技術と大量生産で作られた完璧で均一な製品とは全く対照的です。しかし、これこそが私たちの幸せだと信じています。新しい技術の拡大によって、世の中には新たなニーズが生まれたようです。それは、技術とは対極の何か不完全で、温かで、人間的な、家庭に究極の個性を加えてくれる情熱ではないでしょうか。
真心から生まれた私たちの作品には、その全てにストーリーがあります。とても単純なアイディアかもしれませんが、できる限り誠実に、そして明確に表現することに力を注いでいます。こうした企画が刺激となって、皆さんが皆さん自身と注いだ努力を表す自分だけの作品を作ってみようかと思い立ち、様々な木を使って作業する中で、自分自身のストーリーやアイディアを見つけてくだされば本望です。
チーズボードを作る
この最初の企画は、自然の素朴さと美しさの完璧な例ですし、家庭でちゃんと使えます。木目が美しい木の幹の板は、チーズはもちろん、他の食べ物でも、食卓に出すのにぴったりのお洒落なボードになります。
この程度の厚みをした木材の場合、最低でも 3 年間は乾燥させた木材を使うことをアンドレアは勧めています。ボードは洗ったり、食品を置いたりして、常に激しい温度変化にさらされるので、乾燥が十分でないと、膨張したり割れ目ができたりします。このボードの木材は、乾燥していればしているほど好ましいです。
材料と道具
- 5~7.5㎝ の厚みをしたオークかオリーブの幹
- 小型のバンドソー(必要に応じて)
- オービタルサンダー
- 80グリッドと150グリッドのサンドペーパー
- 定規
- 鉛筆
- 小型の糸鋸
- ハンドル用の木切れ
- 木工用ボンド
- 直径 2㎝ 弱のロープ、チーズボードの外周より長いもの
- チーズボードに適した木板がなければ、まず、地元の製材所を訪ねてみよう。製材所で大木の切り株の端が見つかるもしれないし、見つからなければ、カットしてもらうよう頼んでみる。帯鋸かチェーンソーがあれば、自分で木の幹を切ることもできる。
- オービタルサンダーと 80 グリッドのサンドペーパーで、木板の裏面と表面を真っ平でツルツルになるまで磨く。それから、150 グリッドのサンドペーパーで、木板の外周の細かな割れ目を取り去る。
- チーズボードにハンドルをつける、あるいは木板にひび割れがある場合は、定規と鉛筆を使って楔型に線を引き、糸鋸で切り取る。
- 用意した木切れを、チーズボードから切り取った楔と同じ角度に切る。これはハンドルとして使うので、チーズボード用の木板より十分に外に出っ張るくらいの長さの木切れを選ぶこと。
- 木工用ボンドでハンドルを所定の位置に固定し、チーズボードの周囲をロープできっちり結び、ボンドが乾くまでそのまま置いておく。オービタルサンダーに 150 グリッドのサンドペーパーをつけて、ハンドルとボードの両面が平らでツルツルになるまで磨く。
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