持続可能な農場や菜園の認証をとる

あなたの区画にぴったりの認証を見つけ、あなたの栽培手法をガラス張りに。

 

文:レイチェル・デュプリー (Rachael Dupree)

翻訳:大本清子

 

「菜園をやってますか?と言う質問は、ブロッコリーやバラを育てていますか?という意味ですよね。」と、バーモント州のガルフォードにある、シスター・サンクチュアリー農場の所有者、マーサ・ラビノウィッツは言います。

 しかしラビノウィッツはそういった菜園家ではありません。土地の半分を、近所の酪農家の牛のために有機農業で牧草を育てている一方、所有地の16万㎡の森林で栽培している植物に情熱をそそいでいます。それがシスター・サンクチュアリです。ブラック・コホッシュ、赤根草、エンレイソウ、ランプのような、絶滅の危機に瀕しているものや、希少な、森に生息している薬効のある植物に住まいを提供しています。そこは救出した植物を植える場所で、彼女は工事現場や道路沿いから植物を掘り出し、その保護区域に植え直しています。

 一般の人たちに自分が行っていることを知らせるのは、やりがいのあることです。そこで彼女はユナイテッド・プラント・セイバーズ・ボタニカル・サンクチュアリ・ネットワーク (United Plant Savers’ Botanical Sanctuary Network) に、自分の森の土地を加えてもらうために申し込みをしました。ユナイテッド・プラント・セイバーズ (United Plant Savers) - UpS は、非営利で、野生の薬草を保護する活動をしていて、その植物保護区域は、保護センター、種の貯蔵所、絶滅危機にある植物に関する教育拠点になっています。自らの土地を植物保護区域に認定され、ラビノウィッツは他の仲間と交流することができるようになり、彼女の意図的で重要な活動を披露しています。

 しばしば、菜園家は自分が行っているタイプの園芸 ー 持続可能性やその土地に及ぼす影響を配慮した園芸 ー の透明性を確保するため、有機農業の認証を求めます。米国農務省 (USDA) の認証はおそらくもっともよく知られていると思いますが、認証はそれだけではありません。他に獲得できる認証について見ていきましょう。

ユナイテッド・プラント・セイバーズ・ボタニカル・サンクチュアリ・ネットワーク (United Plant Savers Botanical Sanctuary Network)

 UpS・ボタニカル・サンクチュアリ・ネットワークの認定は、自らの土地に生えている野生の薬草の保護に責任を持つ、菜園家や土地の所有者に与えられます。一度申し込みをすれば、毎年メンバーシップを更新することで、植物保護区域として一生涯認定を受けられます。

 保護区域として申し込み可能なレベルは広範囲ですが、いくつか条件があります。

・土地は私有地か土地信託として管理されていたものであること。

・土地には UpS が「絶滅の危険が高い」もしくは「絶滅危機に瀕している」と考えている品種を含む野生の植物が植えられている、またはその作業中であること。

・申込者はなんらかの教育や研究を行わなければならない。

 申し込みは UpS が評価し、申込者の農場に立ち入り検査が入ることもあります。毎年、ボタニカル・サンクチュアリ・ネットワークのメンバーに UpS は、ウェブサイトや機関誌ジャーナル・オブ・メディシナル・プラント・コンサベーション (Journal of Medicinal Plant Conservation) に体験談を発表して共有するよう求めています。申し込み料は100ドルで、更新料は年間35ドルです。

 「多くの保護区域(ボタニカル・サンクチュアリ)は、ハーバリスト(薬草採集者)によって運営されています。私たちが保護しようとしている植物に魅せられている人たちだからです。」と、UpS の支援活動のコーディネーターをしているジョン・ストックは言います。保護区域の規模は、広さで言うと郊外の貸し農園の区画から、数十万㎡もの農場まであるそうです。「その土地で何を植えているか、その土地はどんな土地なのか見ることで、申込者が植物に対してどんな意識を向けているかを推測します。」

 最近では UpS は、ただ野生植物の世話をするだけではなく、ロビノウィッツのように進んで希少な森に生える薬草を自分の土地に植えていくような菜園家と連携することを目指しています。

 ボタニカル・サンクチュアリは、UpS の助成金を優先的に受けられ、また有用な本や、補助金や資金集めの方法なども書かれた指導書を手にすることができます。

ビー・ベター・サーティファイド (Bee Better Certified)

 昨年、非営利のザ・ザーシーズ・ソサエティ・フォー・インバテブレット・コンサベーション (Xerces Society for Invertebrate Conservation)がその仕事の一つとして、授粉者とその生育地を保護するため、オレゴン・ティルス(Oregon Tilth)と共同で、USDAのナチュラル・リソーシス・コンサベーション・サービス(Natural Resources Conservation Service)から資金の供給を受けて、授粉者の保護専門の唯一の第三者審査済の認証機関、ビー・ベター・サーティファイド (Bee Better Certified  - BBC) を始めました。認証は農業者が授粉者の生育地、農薬の軽減、マルハナバチの管理、記録の保管の4つの主要なエリアにおける基準を満たすことを課しています。その見返りに、農業者が野生の授粉者を支える努力に対し、より多くの透明性を与えます。

 基本の認証は400ドル必要で、3年ごとに更新しなくてはいけません。申し込む前に、BBCの生産基準の要点に沿った基準をもとに、ビー・ベター・サーティファイド計画を立てなくてはいけません。有機認証で一番よく知られている、非営利の認証機関、オレゴン・ティルスで計画を発表し、それを評価してもらい、現地審査を受け、調査結果をもとに認証を発行してもらいます。認証を受けたら、ビー・ベター・サーティファイドのロゴを無料で使用して、保護活動の努力を市場に売り込むことができます。あるいは、農場の看板や生産物のパックに付ける認証マークをライセンス使用することもできます。。。(購読登録はこらからどうぞ

 

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By Rachael Dupree

August/September 2018