マザーからのニュース:言われていること

マザーアースニューズ 自然 自給 DIY

年を重ねるごとに、家畜の飼育に関して言われたり、読んだりしたことのほとんどが、私の場合には当てはまらなかったことに気がつきましたが  ー  きっと多くのことに当てはまるでしょう。

時には情報が独断的に提供されることもあります。おそらくそれは、より他者を受け入れる手法よりも再現性が高く、習得しやすいようにするためです。また、万人に通用するという決めつけ病があり、本を書くのは簡単ですが、人々が変化に対応する助けとしては不十分です。決まったルールを自営農園の取り組み方に適用すると、フラストレーションや恐怖感、さらには失敗がつきまといます。

 例えば、ニワトリを飼っている人は、雌鳥が繁殖しないようにすることが推奨されています。確かに、男女混合のヒナが増えるのは嫌かもしれませんが、放し飼いにしている人は誰でも年に数羽の雛を失う可能性がありますし、もしその辺に雄鶏がいるのなら、雌鶏にその代わりとなる雛を孵化させてはどうでしょうか?小規模な農場経営者は、卵の生産量を最大化することにはあまり関心がないでしょう?通販のヒヨコを買って育て、既存の群れや他の生き物と引き合わせた経験のある人は、その過程のどの段階でも、あらゆる種類の災害が起こり得ますが、通常は起こらないことを知っています。しかし、繁殖期の雌鶏に子育てを任せれば、あなたは何の苦労も要りません。雌鶏は卵を孵化させ、雛を育てますが、育雛器はもちろん、ヒートランプも必要ありません。雛は採餌することを覚え、他の動物と仲良くなりますが、争いは最小限に抑えられ、私たちの状況では致命的な事故もありません。そして生まれ育った成鳥は、あなたの家での生活に独自に適応します。唯一の欠点は、シチュー鍋用に雄鶏が増えてしまうことでしょうか。

 また、鶏や羊、あるいは牛や山羊などの動物を自由に採食させることで、災難が差し迫ることも学んでいます。鶏にとって有害な植物(アルファルファやクローバーといったものでしたでしょうか)のリストが掲載された米国農務省のチラシを読んだことがあるのです。35年ほど前のことですが、その時にはすでに、我が家の鶏たちがアルファルファやクローバーを食べて、鮮やかなオレンジ色の黄身を持つビタミン豊富な卵を産むことが分かっていました。我が家の羊たちにも、まだそのチラシのことが伝わっていません。ワルナスビ(学名 Solanum carolinense)、ヨウシュチョウセンアサガオ(学名 Datura stramonium)、キョウチクトウ科(学名 Apocynum cannabinum)など、多様性のある牧草地で羊は草を食べられます。そして、羊たちは1日の摂取量の数パーセント以上の有毒な「キラー」植物を摂取することはないが、「キラー」植物に出会うたびに選んで少量ずつ摂取しています。フレッド・プロベンザ(Fred Provenza)のような動物栄養学者は、放牧動物の採食行動を何十年も研究してきたので、驚くことはないでしょう。簡単に説明すると、悪者扱いされている植物の中に、羊が必要としているものがあり、それだけ採食するのでなければ、その植物をいくらか食べることは、羊を殺すのではなく、利益をもたらすということです。誰か知ってた人はいるのかな?

 まだまだ続きますよ。要するに、ニワトリやその他の動物たちは、事細かに管理しようとする私たちよりも、自分たちの生活に関連するほとんどのことについて、すべてではないにしても、優れている可能性が高いということです。ですから、あなたの自慢のヤギが家畜小屋に入ってダチュラ属(学名 Datura)の葉を数枚ムシャムシャ食べても、慌てる必要はありません。十分に食べたら、ヤギは家畜小屋から出て、ノイバラ(学名 Rosa multiflora)の茂みを見つけて食べるでしょうね。もし、あなた自身の観察や経験が専門家の常識を覆すものであれば、ぜひ聞かせてください。HWill@MotherEarthNews.com までメールを送ってください。十分な数のエピソードや事例が寄せられれば、将来の号のためにリストにまとめられるかもしれません。

 では2月にお会いしましょう。

―  ハンク(翻訳:沓名 輝政)

 

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