私が 2007 年にこの農場に来たとき、そのうちの約 60 エーカーはアメリカ農務省の保護活動(CRP)を 維持するローテーション放牧手法に登録されていました。
この契約は私が購入してから数年間続いたもの で、毎年政府からの小切手という形でわずかな収入を得ることができました。その土地に計画を立ててい たので、この契約には満足していませんでしたが、最善を尽くすだけです。CRP の植物相にはあまり感銘 を受けませんでした。多様性はほとんどなく、5 種類の草が生えているだけでした。奇妙なことに、これ らの土地では広葉樹がほとんど見られず、更地の部分もありました。草以外の植物としては、ジャコウアザミやメドハギ(英名 sericea lespedeza、学名 Lespedeza cuneata)などの雑草が最も多く見られました。調 べてみると、混合されていた種子にメドハギが混入していたことがわかりました。このメドハギは暖地型の草地や牧草地で強い競 争力を持つため、郡全体の問題となっていました。
私は契約が切れるのを待ちつつ、掘ったり、火をつけたり、少しだけスポットスプレーをしたりして、雑草を撃退するために最 善を尽くしました。アザミは簡単に処理できましたが、メドハギはもっとしつこかったです。それでも、種ができる前に草刈りを して、なんとか広がらないようにしました。草刈りをした場所には、自生の冷地性の草や暖地性の草が移動してきたのです。CRP の契約が終了した年に、私は牛と同様に羊をメドハギのある地域に移動させ、放牧しました。メドハギが柔らかくて青々としてい れば、食べていました。メドハギの駆除方法を調べているうちに、カンザス州立大学の科学者が発表した論文を発見しました。そ れによると、この雑草を根絶するにはヤギが唯一の方法であり、ヤギは季節を問わずメドハギを探し出して好んで食べるとのこと でした。私たちにはヤギはいませんでしたが、持ち運び可能な電気柵によく訓練されたたくさんの羊がいたので、ローテーション 放牧を実施して、1 年のほとんどの期間、メドハギの植生を維持しました。羊が放牧されていない場所では、メドハギが種をつける ずっと前から干し草を作っていました。その結果、メドハギの茂みは薄くなり、小さくなりました。メドハギは確かに後退しまし たが、羊は成長し、寄生虫の数も大幅に減少しました。これは、メドハギの葉に含まれる駆虫成分によると思われます。
現在、私たちは、春にメドハギが目覚める前に、秋に放牧で倒されたり、刈られたりする前に、ソバ、牧草地のコラード、ライ ムギ、グラスピー(Grass pea、学名 Lathyrus sativus)など、春と秋に積極的に一年生作物を植え付ける実験を行っています。いわゆ る「抑制作物」と呼ばれるこれらの作物は、雑草の競争力を低下させ、土壌を形成し、晩秋と早春に羊に草を食べさせることがで きます。また、多年草のマメ科植物や牧草を混ぜて、今後の牧草地の基盤に多様性と生産性を与えることも期待しています。メドハ ギを根絶やしにすることはないでしょうが、羊に与える恩恵を考えれば、完全になくしてしまうことはできません。私たちの地域 では深刻な問題となっているこの雑草も、野放しにしなければ利益をもたらしてくれることがわかりました。 もしあなたが、自分の土地や庭に生えている雑草について、「悪い中にも良いところがある」という方法を見つけたら、ぜひ教 えてください。 HWill@MotherEarthNews.com までメールしてください。今後の発行誌で準備のヒントを掲載したいと思います。 では、6 月にお会いしましょう。
— ハンク
翻訳:沓名 輝政
* 和訳全文は1年おきに発行される和訳電子版のバックナンバーでお楽しみください
コメントをお書きください