直撃レポート:我が家の郊外農場

マザーアースニューズ 自然 自給 DIY

働き者の夫婦が、献身的な努力と目的意識、そして少し汗をかいて生まれるガーデニングの魔法を披露。

文と写真:ケリー&ニック・キャップル(Kelly and Nick Kapple)

翻訳:沓名 輝政

 

 ガーデニングや農業のアイデアは好きだけど、時間も意欲も能力も足りないと感じている若い人たちに、この記事をお勧めします。私たちキャップル夫妻は、オレゴン州に住む20代の持続可能性を愛する風変わりなカップルです。ケリーは田舎の6エーカーの土地で育ち、乗馬や徒歩での山越え、近くの農場で飼われている未熟な子羊に哺乳瓶でミルクを与えたりしていました。ニックは現役のオーガニック農場で育ち、牛の乳の手搾り、たくさんの野菜や果物の育て方、びん詰めや保存方法を学びました。

 結婚して最初の数年間は、家の頭金を貯めるために貯金をしていました。将来の家族のために自分たちの農場を作りたいと考えていた私たちは、オレゴン州の住宅価格の高さに落胆し、よほど荒れ果てた土地に修繕が要る家屋でもない限り、郊外の住宅以上の広さのものは買えないと判断しました。しかし、街中での生活が永遠に続くわけではないということで、1/4エーカーの角地にある家に申し入れて、契約を成立させました。

 家の中はきれいに改装されていましたが、家庭菜園は荒れ放題でした。前のオーナーは、水道代の大部分を芝生への水やりに費やしていました。2、3本の低木があるだけで、この土地に活気を与えていました。この土地には砂利敷きの側庭があり、前のオーナーはそこにトレーラーを停めていました。この砂利敷のままにはしないとすぐに判断しました。植え付けのために、できるだけ1/4エーカー近くの広さが必要だったのです。

 都会の生活に慣れることは、私たちにとって調整が必要でした。家のすぐ近くで人が歩道を行き交うような場所に住んだことはなかったからです。田舎で家を借りていたときのようなプライバシーはもうありませんでした。新しい隣人たちは「クランペット一家 [ど田舎からビバリーヒルズに引っ越した石油成金の一家。全米で9シーズン続き大ヒットした「じゃじゃ馬億万長者」より]」が町に引っ越してきたとは思いもよらなかったのです。私たちはすぐに、使い道のない芝生を都会の自営農園に変える作業に取り掛かりました。まず、鶏小屋を建てて、すぐに鶏を入れました。雌鶏は必要不可欠な存在であることがわかりました。都会の自営農園での食物連鎖には欠かせない存在です。テーブルの残飯を与えると、良質の肥料を作り、地面を耕し、害虫を食べ、卵を産んでくれます。そして、1ダースの卵を近所の人に売り、1ダースは自分たちのためにとっておくのです。この方法で雌鳥たちは元を取っています。脇の敷地の砂利を埋めるのにも活躍してくれています。彼らのチキントラクターを2カ月ごとに砂利の上で往復させているので、以前は生気のない岩だったところに植物に適した土ができています。トマトやピーマン、ナスなどのナス科の植物は、酸度の高い場所のほうが成長することがわかりました。

 

私たちのインスピレーション・ミッション

 都会の自営農園に住み始めた最初の年に、私たちは6本の木を植え、7つの上げ床を作りました。その後、さらにいくつかの植え床を追加し、花を植えました。春と夏には、土を耕し、芽を出させ、植え、収穫しています。これは自慢のためではなく、他の若い人たちに自分たちにもできることがあると伝えたいからです。私とニックはフルタイムの仕事をしています。第一子の出産、かまって欲しがる2匹の犬と猫の世話で手一杯ですが、最も重要なモノである食事の時間は確保しています。私たちの使命は、より多くの若いカップルや家族にガーデニングをしてもらい、街中の芝生のスペースでも家族のために健康的な恵みを生み出せるようにすることです。私たちの仲間から繰り返し聞かされる憂慮すべき言葉は「やってみても、野菜を生かし続けられない」というものです。これは非常に気になる言葉です。自分で植物を育てる方法を知っておくことは、食料品店に在庫がなかったり、自然災害が起こったりしたときのため、あるいは自給自足で生きていく自信を持つためにも、とても良いことだと思います。もちろん、自分の家庭菜園で採れたものを家族や友人に振る舞えば、大きな誇りにもなります。

 地球を大切にし、今ある土地を大切にすることは、私たちの情熱です。私たちは、田舎の人を農場から連れ去ることはできても、田舎の人から農場を取り去ることはできないと強く感じています。田舎の人はその再現方法を見つけることでしょう。

 家を購入して間もなく、見渡す限りの広大な土地であろうと、町の小さな土地であろうと、どこへ引っ越したとしても農場を持とうと決めました。

 

私たちの仕事の進め方

 正直に言うと、植物を育てるには真剣な取り組みが必要です。適切な時期に発芽させることから始まり、一貫した水やり、鉢上げ、移植、除草、手入れ、シーズン中の収穫まで、すべての作業を行いますが、、、除草については話しましたかね?結局のところ、これに尽きると思います  ―  作業計画に取り組むときは、言い訳ではなく、努力をする。。。

 

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