冬でもパッシブソーラー暖房

マザーアースニューズ 自然 自給 DIY

パッシブソーラーは、この家族の田舎の家の温度調節に最適な選択肢だとわかった。

文と写真:リッチ・シェーファー(Rich Schaefer)

翻訳校正:沓名 輝政

 1980年代初頭、アメリカはエネルギー危機を迎えていました。妻のジーンと私の間には初めての子供が生まれ、彼女とやがて授かる子供たちの将来を危うくするのではなく、確実にするために何かしたいと考えていました。そして、1983年、私たちは環境への影響を最小限に抑えた田舎暮らしの家を建てる計画を立て始めたのです。

 ジーンと私が育った場所からそう遠くないところに、美しい田舎の土地を発見しました。敷地外は木々に囲まれ、将来の住まいにふさわしい広々とした野原が広がっていました。当時、エネルギー効率の高い住宅を建てるには、さまざまな方法がありました。太陽の光を自然に受けて暖を取る家で、南側に大きな窓を設けていました。中西部の寒い冬には、この窓の「温室効果」を利用して暖房になるのです。私たちの敷地は南北に長く、太陽の光を最大限に利用した暖房に最適な方角でした。

 そこで、南向きの窓を多くつけたニューイングランドスタイルの家を自分たちで計画し、設計しました。地下室は3面が地下にあり、4番目の面である南側の壁は外殻となるサンルームを通して優れた日射を受けることができます。そこで得られた熱エネルギーは、サンルームの天井に取り付けられた送風機によって室内に伝達されます。

 晴れて気温が華氏一桁以下(-12℃以下)の日には、サンルームは27℃以上の室温になり、送風機を通じて家中に行き渡ります。日中の熱を蓄えるために、家全体にセラミックタイルを使用し、1階の基礎壁とコンクリートの床の熱容量も利用しています。日中はタイルと地下室が気温の上昇を緩やかにし、夕方にはその熱をゆっくりと家の中に戻してくれます。

 太陽が照っていないときは、個別のサーモスタット付き電気式ベースボードヒーターに頼っています。このサーモスタットはすべて設定調整可能で、私たちの生活スタイルに合わせて変更できるのも、エネルギーコストを削減する秘訣のひとつです。

我が家をデザインする 

 ジーンは、家のレイアウト、構造の詳細、外観全般をデザインしました。南向きの窓からの熱の出入り、床面積や断熱性、蓄熱量などを考慮し、この家の暖房の統計値をBTU(英国熱量単位)で算出しました。

 1階と2階の一部には吹き抜けを設け、空気の循環を高めるためにシーリングファンを設置し、戦略的に配置された床の換気口は、家を巡る閉ループの空気経路と。。。

 

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