農作物を保存する

私は長年購読する中で、合衆国の食についてかなり多数の統計値を集めてきました。突出しているのは、合衆国では全食品消費のほとんど1/5が自動車の中で生じていることです。自動運転車の未来にどれだけそのパーセンテージが増えるか想像してください。片手にサンドイッチを持って、もう一方の手でハンドルを回さなくてよくなる時を。

 もう一つのこと:平均的アメリカ人は食事の準備に1日に約37分―または1食に15分以下を費やします。時間のある人にとってさえ、今日の最新の食の傾向は利便性です。私たちの農場のあたりで、私たちは皆が「Polyface Hot Pockets」を欲しがっていると冗談を言っています。 

 そして別のことがあります:各日午後4時に少なくともアメリカ人の70%は、夕食に何を食べるか考えていません。

 これらの統計値の累積は、現代アメリカの料理計画の重大な欠如に言及しています。

私たちの農場と家族は、間違いなく平均からの例外です。ベテランが「貯蓄」と呼んだことをしたり、豊かな季節を乏しい季節のための準備に使って多くの時間を過ごします。これは、つい近代まですべての家庭で行われました。

 今日、シーズンオフのために自家製農産物を保存することに多くの考えと努力を注いでいる誰でもが、「プリッパーprepper」だと決めつけられる危険があります。それどころか、世の終わりのための売り込みがある:10年間もつ食品セットを届ける供給業者の数をちょっと見てください。一大ビジネスです。

 しかしここポリフェイス農場 (Polyface Farms) では、次の10年の食品は買いません。食物を育てるか近所で買って「貯蓄」します。イチゴのような早い果物から始めます。それをクオート[1L]瓶で冷凍します。自分たちで存分に食べた後です。それからマルベリーと干し草の頃、ブラックベリーができます。8月までに早生リンゴが実り、自家製アップルソースを作り始めます。

 最初に熱でリンゴを柔らかくします。それから食品粉砕器か別の搾り器でリンゴの果肉を種と皮から分けます。これはよく、みんなの助けが必要になる仕事で、一人が台所の流しでリンゴを洗い、他の人たちが交替で粉砕器を回している間ストーブを燃します。そのほうがビン詰め作業が早く進みます。そして1日の終わりには、私たちの努力の成果となる 75L の素晴らしいアップルソースができます。

 どれだけ保存してどれだけ食べ残すか記録することで、次の収穫までに平らげる必要量の感覚を発達させます。1週間に3Lのアップルソースを食べるなら(しっかり働いてしっかり食べます)、1年では約150Lです。1ブッシェル[36L]のリンゴで約15Lできるので、年間10ブッシェルのリンゴの貯蔵が必要です。もちろん薄く切って、網の上に置いたり食品乾燥機に入れてリンゴを乾燥させます。

 菜園が最盛期に入ると貯蔵が深刻になります。キャベツは貯蔵の準備ができる最初の野菜のひとつです。そして10ガロン[37.8L]甕を屋根裏部屋から引っ張り下ろすのが季節への通過儀礼です。細かく切って甕に詰め、重しをした蓋で押さえつけておくと、キャベツはザウアークラウトになり、発酵がよい栄養になります。

 自家製ザウアークラウトが完成したら、甕をきれいにして私のお気に入り「14日スイートピクルス」のために胡瓜でいっぱいにします。母はいつも基本的なピクルスと、よくディルピクルスを作りました。地元の場外市場(今日の農家市場の大恐慌時代の前身)で売り始めるまで、自家製スイートピクルスを見たことはありませんでした。

 他の売り手のひとりは、いつも売り物のポテトサラダを作っていて、私は朝食用にいくらか手に入れ、魔法瓶に入った手搾りの生のガーンジー牛乳を補完したものです。そしておお、彼女はポテトサラダにスイートピクルスを入れたのです。そんな素晴らしいものを食べたことはありませんでした。

 2、3年後、高校で妻のテレサに出会い、デートし始めました。関係が少し進んだ後、家族のクリスマスの集まりに招待されました。そしてそこでガラスの盛り皿の中に、あの同じスイートピクルスを見つけたのです。すぐその場で、その家族の一員になりたいと決めました。このスイートピクルスを作るのは長い工程です。しかしテレサは忠実に家族の伝統を続けてきました。

 ある年、彼女は同じものが8日でできるとされているレシピを見つけました。私が知らないうちに、私をだまし、多くの時間とエネルギーを節約しようと思ってそれを使いました。最初の瓶を開けてすぐに、私は何かが違うとわかって声に出して不思議がりました。彼女は笑って告白しました。そして決して手っ取り早い方法を繰り返しませんでした。急いでは駄目なのです。

 サトウダイコンのピクルスは我が家のお気に入りで、もともと卵のピクルスの漬け汁を作るためでした。2、3個の美しい卵のピクルスのように手早く美味しい昼食にるものはあまりありません。

 サヤインゲンが次にできて、座って新聞紙を膝に広げ豆を持ち端をポキンと折る時間が要るようになります。理想的にはお気に入りのラジオ番組か録音を聴く間、これをします。映画を見ることもできると思うけど、膝の上でなにが起こっているか注意しなければなりません。さもないとサヤインゲンの中のいかした豆粒を置き去りにするでしょう。雪が吹き荒れている時には、ほんとにしたくない作業です。

 サヤインゲンに引き続いて最初にトウモロコシ、すばらしいトウモロコシができます。もう一つのみんな助けが必要な儀式です。というのもトウモロコシは皮をむいてゆがいて、穂軸を切り取らなければならないから。朝とても早くに完熟した穂を引き抜きながらトウモロコシ畑を通ります。私は牧草地に座って乳牛の側でトウモロコシの皮をむくのが好きです。一番人懐こいのがすぐやって来て、私の脚の間から皮を食べます。その暖かい息とげっぷで、この作業が芝居がかったものになります。

 切っている間必ず迸る気まぐれな汁を防ぐため、テーブルを新聞紙で覆います。次に穂を台所に持って行き、ゆがいて切ります(同時に、切っている間に汁の多い熱い穀粒をつまみ食いします)。切った後穀粒を2.5cmもない厚さでクッキーシートに広げ、冷凍庫に入れます。翌朝までに固く凍りますが、ほぐすのに十分な薄さです。最後に凍った穀粒を大きなビニール袋に入れます。冬中、取り出して再密閉できます。

 カボチャのような何にでも使える野菜はほとんどないです。ズッキーニを細かく切ってパイント[約0.5L]瓶にビン詰めします。各瓶でズッキーニパンが2斤できます。また夏の曲り首カボチャをさいの目に切ってビン詰めします。夏の農産物とハーブで付け合せを作ることができ、またパイント瓶にビン詰めします。

 栽培季節のこの時期までに、トマトが最大収量になります。早いものは毎日食べられますが、今は蔓が熟れた果実ではち切れそう。バケツ一杯の量もいで、ビン詰めし始めます。アップルソースの時と同じ粉砕器を使って、見かけの悪いものでジュースを作ります。良いものは小さく切ってクオート瓶に押し込みます。トマトは長い冬の数ヶ月の間、頼みの綱で、最も暗く寒い日々に皿に盛られた料理に味の爆発をもたらします。

 蒸気果汁抽出器 (steam juice extractor) を使って、エルダーベリージュースやたくさんのブドウジュースをビン詰めします。切って水と半々にしても、まだかなり強いです。クリスマスにはブドウジュースがお祝いのフルーツポンチの主成分です。

 暖かい季節には、ほとんど毎週鶏を食肉加工します。ほとんどは売って、よけたもの(普通何らかの傷がある)を取っておきます。巨大な煎鍋に、できるだけ多くぎっしり詰めて料理します。肉を取りだし、さいの目に切って冬の蒸し焼き料理用に1L入りの冷凍容器に入れます。もちろん骨のついた胴体もスープにします。

 また、豚から牛や鹿まで、肉もビン詰めします。ビン詰めした肉のよさは、停電しても冷凍庫の他のすべてと一緒には腐らならないことです。下ごしら済みで、簡単に早く食事ができます。肉をビン詰めするコツは瓶に空きを残しておくことです。できるだけ一杯瓶に詰めがちですが、もし瓶の口の周りに脂肪の泡があると密閉できません。確実に密閉するために上部に2.5cm空きを取ってください。

 もちろん晩夏と秋の作物は、根菜貯蔵庫や涼しい地下室に置く以上の貯蔵は要りません。遅いキャベツ、ジャガイモ、人参、玉ねぎ、カボチャと冬カボチャは次の春まで保ちます。家のサンルームは新鮮なレタスとその他の青物を冬中提供します。

 これは確かに包括的なリストではないとは言え、うちの農場の季節の食物サイクルの覗き見です。自家製作物を保存することは、ただうちの家族のやり方です;経済的不安定や政治的不安感への突然の反応ではありません。ただ溢れるように流れて、食料室が自家製品で満たされます。シーズンオフにも楽しめる豊富な収穫物に囲まれて、地球に依存し助けられていることを毎日思いだしています。良い生き方です。

 

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Preserving Homegrown Produce

By Joel Salatin | October/November 2017