省エネにハイテク品

これらのアプリとデバイスでエネルギー使用量をモニターして修正しよう。

 

省エネにハイテクツール
長持ちする電球、低水量シャワーヘッド、エネルギーモニターやスマートサーモスタットなど、この記事で紹介するアプリや機器で自宅のエネルギー消費をモニターしてエネルギーの使い方を変えよう。

 

文:アマンダ・ソレル (Amanda Sorell)

翻訳:浅野 綾子

 

Sense-Energy-Monitor

 センス・エネルギー・モニター (Sense Energy Monitor) なら自宅家電を認識してモバイルアプリに統合できる。

 自宅でオフリッドの生活をしようとしているなら、自分自身と住まいのエネルギー消費傾向のチェックを第一の計画にしてもよいでしょう。最優先事項の1つは住まいのエネルギー効率を上げることにあるはず。そうすれば苦労して発電した代替エネルギーを無駄にしないで済みます。電気を引いているとしても、エネルギー効率を上げることでさらに1円単位で節約できるようにするのに役立ちます。普通に考えてみるだけでも非効率な点の2つや3つは見つけられると思いますが、テクノロジーは日々発展しています。無駄をへらしてエネルギーの流れを変える新しい方法を取り入れない手はありません。以下のアプリや機器を使えば、自宅のエネルギーとユーティリティ設備を繋いで家の中をブーンと効率よく回すのに役立つだけでなく、エネルギー消費量を調べて使用を控えめにすることもできます。

 

エネルギーアプリ

 アプリは、二酸化炭素排出量の計算からサーモスタットの遠隔操作まで、エネルギー関連のこれがやりたい!のほとんど全部に使えます。プログラムの多くはエネルギー消費量の計算や、エネルギーを大食いする機器を使わないようにするのに役立ちます。アプリが家全体のエネルギーシステム(後述「ホールハウス・システムズ」参照)とつながっているなら、消費量を調べて使い方を変えることも可能です。以下に紹介するアプリは、エネルギーの節約を適切にはじめられる独自のサービスを提供しています。他の情報源については、後述の「エネルギーへの注意力を上げる情報源」を見てください。

 エネルギー・コンサンプション・アナライザー(Energy Consumption Analyzer:アンドロイド)/エネルギー・コスト・カルキュレイター(Energy Cost Calculator:アップル):エネルギー消費量の測定は、節約に必要不可欠なステップ。この2つの無償アプリなら、長期的にエネルギー消費量の変化を計算してグラフ化できます。エネルギー・コンサンプション・アナライザーを使うと、メーターの表示値を通して全体のエネルギー消費量をモニターし、時間や日、週さらには月毎の割合のグラフを作成してくれます。エネルギー消費がさらにわかりやすくなるように、エネルギー消費量が大きい時間帯や小さい時間帯を色分けで分類できるのはもちろん、ちょっとしたコメントもつけられます。

 

energy-use-graph

 エネルギー・コンサンプション・アナライザーのアプリを使うと、いろいろな時間軸で自宅のエネルギー消費量の変化をモニターするのに役立つ。

 エネルギー・コスト・カルキュレイター (Energy Cost Calculator) は、特定家電製品の日、週、月、さらには1年毎の電力消費量や電気代を調べるのに、ちょっとした入力(家電製品の1時間当たりの電力消費量や日常の使用時間、ワット当たりの電気代)が必要です。このアプリで計算したデータをもとにして、電気の使い方を変えたりや非効率な家電を取りかえることができます。

 

Energy-Cost-Calculator

 エネルギー・コスト・カルキュレイターは特定の家電製品の電力消費量や電気代をモニターできるアプリ。

 ライト・バルブ・ファインダー (Light Bulb Finder)  パソコンやスマートホン、タブレット端末でアクセスできるこの無償のウェブアプリを使うと、電球の見た目や明かりの質、購入コストを回収するのに必要な時間などで分類された、電球型蛍光灯 (CFL) やLEDライト電球の購入オプションが見られます。このアプリは、アメリカのエネルギー効率基準に合うように常に更新され、地域の電球取扱い小売店を探すのに役立ちます。利用できる還付金や、取りかえる電球のタイプを元にどの程度節約(ドルとワット数)できるかについても教えてくれます。

 

RecoBulbs

 ライト・バルブ・ファインダーのアプリは、長持ちする電球をどこで買えるか探すのにお役立ち。

 アメリカ合衆国エネルギー省によれば、白熱灯の電球をエネルギースター (Energy Star:環境ラベル認証団体) のモデルに交換すると年間75ドルまで節約できることもあるそうです。このアプリを使えば、自宅の照明はそのままに、家計の状況に合わせてこうした節約を取り入れるのに役立ちます。アプリを使って、電球の買い物リストや部屋ごとの交換ガイドが印刷できます。現在使用中の電球や口金タイプが何か見当をつけるアプリの「プリンタブル・バルブ・メジャーメント・ツール(Printable Bulb Measurement Tool:プリントできる電球測定ツール)」もダウンロード可能。

 

効果大の製品

 アプリを使って、どの電球や家電製品が過分なエネルギーを使用しているか割り出したら、次は新しいものへ取りかえです。でも、一度に家全体のものを取りかえる必要はありません。少しずつ非効率な機器を取りかえればよいのです。以下の「情報源」や、エネルギーを頑張ってモニターして集めたデータを使って、何を取りかえれば長期的にみてコストの回収を最大にできるか割り出しましょう。

 以下タイプの製品は、はじめるのにハードルが低く、際立ってエネルギー効果の高いものです。

 

Eneloopバッテリー

 Eneloopバッテリーは最大で2,100回再充電可能。

 電池:家をざっと掃除すれば、いろいろなコードレス機器の中に乾電池が入っていることや、がらくたが入ったあらゆる引き出しの隅に乾電池が押し込まれていることにきっと気がつくはず。米国環境保護庁によれば、アメリカ人は、ポータブル電気製品の使用に、毎年30億個近くもの乾電池を購入するそうです。その内の20%は再充電可能で、個々のリチャージャブルバッテリーは耐用年数分の使用で使い捨ての電池何百個分に値することもあるとか。リチャージャブルバッテリーと充電器を使ってその購入コストを回収できたら、節約開始です。逐一記録をとれば節約金額は初め微々たるものだと気づくでしょうが、自宅の電池使用量が多ければ長い眼でみれば確実にお得です。パナソニックのEneloopブランドのバッテリー(単2電池4個入りで11ドル50セント程度)は、最大で2,100回再充電できます。Survival Frog社製のバッテリー(4個入りで29ドル97セント)のように、電気を使い切ったらUSBポートに挿して充電できる単2電池もあります。

 

Cree-LED-bulbs

 Creeの60WリプレイスメントLEDは、最長で20年間使用可能。

 照明:長持ちする照明器具は高性能の電球だけではありません。スイッチを取りつければ明るさを調整できます。電球を自分のスマートホンとリンクさせれば明かりをつけたり、調整したり、消したりするのも思いのまま。照明器具をセンサーなど他のスマートデバイスと組み合わせれば、部屋に人がいるかどうかで自動的に電気をオンにしたりオフにしたりすることも可能です。Lutron マエストロ・ルーム・オキュパンシーセンサー(Lutron Maestro Room Occupancy Sensor:21ドルから)は最大で9m離れたところ(感知範囲は最大で80㎡)の動きを感知し、労力少なく電気の節約ができます。1人でも設置可能。電気技師に頼んでもよいでしょう。電球については、Creeの明るさが調整できる60WリプレイスメントLED(60W Replacement LED:2個で約6ドル)が最長で20年間使用可能です。

 

HighSierraシャワーヘッド

 HighSierraクラシックプラスシャワーヘッドを使えば、一般のシャワーヘッドと比べて水量が半分で済む。

 シャワーヘッド:アメリカ地質調査所によれば、アメリカ人は平均して1日に300リットルから380リットルの水を使うそうです。この水を温めるエネルギー消費量は家全体の消費量のかなりの割合になります。HighSierraクラシックプラスシャワーヘッド(HighSierra-Showerhead:39ドル95セント)のような低水量のシャワーヘッドに交換すれば、エネルギー消費量を少しずつ減らせます。このシャワーヘッドを使えば、1分間に5.5リットルの水量と、一般的なシャワーヘッドの半分の水量でOK。低水量のシャワーヘッドを買うときには、ウォーターセンス (WaterSense) ラベルのものを探しましょう。このラベルは、1分当たりの水量が7.5リットル未満の製品にしかつけられません。

 

BelkinSocket

Belkinコンサーブ・コンセントを使うと、設定した使用時間で家電製品の電源をオフにできる。

 コンセント:忘れずに電源を切ったりコンセントを抜いたりするかわりに、高機能コンセントや電源タップ、スイッチを使って待機電力カットができます。国立再生可能エネルギー研究所によれば、待機電力の電気代は年間で最大200ドルになるそうです。Belkinコンサーブ・コンセント(Belkin Conserve Socket:9ドル99セント)を使うと、設定した使用時間が過ぎると家電製品の電源がオフになります。Belkinコンサーブ・スイッチ(Belkin Conserve Switch:39ドル99セント)は、リモコンで操作できる電源タップで、継続して電気が必要な機器用の2つのコンセントもついています。一連のパソコン関連機器を省エネのコンセントや電源タップにつなげば、数ヶ月のうちに機器の購入コストを回収して節約をはじめられます。

 

ホールハウス・システムズ

 これでエネルギー消費量を調べて機器を取りかえ、それぞれの部屋の見直しが終わりました。次に、以下に紹介するホールハウス・システムズの導入を考えてみてもよいでしょう。このシステムを使えば、スマートホンと家電製品をリンクさせることができ、エネルギーの流れや使用料金がさらに管理しやすくなります。

 

EnergyMonitor

Smappeeエネルギーモニターを使えば、自宅のエネルギー消費量がわかる。

 

 エネルギーモニター:アプリの性能以上の調査がしたくなったら、電気技師に設置してもらえば全体的なエネルギー使用の流れがわかるモニターにお金をかけてもよいでしょう。センス・エネルギー・モニター(Sense Energy Monitor:299ドルから)を使えばリアルタイムのエネルギー消費量を調べられ、自宅の家電製品を認識できるよう学習させることもできます。自宅のWi-Fiに接続してモバイルアプリに組み込みも可能で、どのような機器からも電力消費を測定することができるようになります。ソーラーパネルに接続して発電量の測定も可能。Smappeeエネルギーモニター(Smappee Energy Monitor:249ドルから)とNeurio ホームエネルギーモニター(Neurio Home Energy Monitor:219ドル99セント)は互いに似たような性能。Smappee ガス&水モニター(Smappee Gas and Water Monitor:149ドル)では、ガスと水の使用量を調査できます。異常な使用や漏れを感知でき、大多数のアナログメーターと併用可能です。タンクユティリティー(Tank Utility:199ドル)はエネルギーモニターと同じように機能しますが、プロパンタンク用なのでガス切れがわかり、付属アプリで使用料金やガス代もわかります。

 スマートサーモスタット:従来のサーモスタットと異なり、スマートサーモスタットは手持ちの機器に接続してワイヤレスアクセスが可能で、家庭での日々の電気使用をさらに変えることができます。電気料金の請求を10~15パーセント減らすことができたという人がほとんどです。エネルギースターによれば、平均的な電力消費者なら、スマートサーモスタットを使用して冷暖房の電力を8パーセント以上節約でき、年間にして約50ドルの節約ができるそうです。Nest社製(249ドル)は、エネルギースター認証サーモスタットの第1号。他のスマート製品にも接続可能。例えば、スマート洗濯機や乾燥機に繋げられるなら、使用電力が少ないときは次の洗濯物に使えます。

 Ecobee社製(249ドル)はもうひとつの選択肢。エネルギーセイジの通信管理者ニック・リベラティ氏によれば、Ecobeeの際立った特徴はセンサーを複数の部屋で使えて個別の環境設定ができることだそうです。スマートサーモスタットを選ぶ際に、リベラティ氏がおすすめする性能は以下:モバイルデバイスを通してワイヤレスアクセスが可能なこと。スマートホームハブで連携できること。アダプティブテクノロジー【対象とするものに作用するものを適応させる技術】または「アドバンストラーニング (advanced learning) 」があること。これら2つの技術は機器に自分の行動を覚えさせ、それに応じた温度調整をさせることができます。残る1つはジオフェンシング (geofencing) 技術。自宅に人がいるのを感知したり外出するときに空調をオフにしたりできます。

 

Ecobeeのセンサーを使って、それぞれの部屋に個別の環境設定ができる。

 エネルギーの効率化をさらに進める余裕はないと感じるなら、1回に1つのポイントに絞りましょう。頑張って技術的な選択肢を調べることが必要ですが、入手できる省エネ機器が2、3だけなら、1ワットずつ消費電力を減らすこともできます。二酸化炭素排出量も同じように少しずつ減らせばよいでしょう。

 

エネルギーへの注意力を上げる情報源

 以下の情報源は、どの製品を購入すれば自宅に合うかを検討する際のガイドになります。

 エネルギーセイジ (EnergySage) :この記事に掲載した製品はいくつかエネルギーセイジのオンライン太陽光マーケットプレイスのおすすめ商品になっています。個々の製品のレビューや意見についてマーケットプレイスの記事をすべて見るには、スマートホームガジェット&エネルギープロダクツ (Smart Home Gadgets & Energy Products) のページを参照してください。エネルギーセイジのニック・リベラティ氏は、自宅でエネルギーを最大限効率的に使用できているかどうか確認するのに家庭エネルギー効率診断 (home energy audit) が役に立つと言います。「家庭エネルギー効率診断士 (energy auditor) は家庭内のどこにエネルギーの最大のロスがあるかを査定でき、改善点をアドバイスして自宅の省エネに協力してくれます。公共料金の節約にも助かりますよ。」  お気に入りの検索エンジンで「エネルギーセイジ、エネルギー効率診断」を検索して詳細を見てみましょう。

 エネルギースター (Energy Star) :エネルギー効率の良い製品情報を見つけましょう。多くの州や公共事業体では、電球型蛍光ランプやエネルギースターの製品に還付金を設けています。自宅のものをチェックしてさらに節約できる可能性があるか調べましょう。

 グリーン・エネルギー・エフィシエント・ホームズ (Green Energy Efficient Homes) :サイト内を「家庭用省エネデバイス (home energy-saving devices) 」で検索して、自宅のエネルギー使用の測定や調整に役立つ製品の詳細リストを見つけましょう。

 ホーム・パワー (Home Power) :このサイトのデジタルアーカイブに収められた記事は、代替エネルギーと建物のエネルギー効率化について包括的にカバーしています。

 アメリカ合衆国エネルギー省:「エネルギー&料金節約計算機 (energy- and cost-savings calculators) 」で、特定のエネルギースター家電製品やその他製品の価格や節約金額について計算できます。このサイトには、エネルギー効率の良い製品やエネルギー節約ガイドのディレクトリもあります。さらに、エネルギー省のホーム・エネルギー・セイバー (Home Energy Saver) サイトには、エネルギー消費量の削減や、料金節約にむけた自宅の改造や見直しについての豊富な情報やアドバイスが掲載されています。

 

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By Amanda Sorell|  February/March 2019