コンパニオンプランツに最適な植物

害虫よけ、雑草管理、菜園全体の元気度UPに特定の植物を組み合わせよう

 

適切なコンパニオンプランツを栽培すれば、菜園に害虫を寄せつけず、雑草をコントロールして土を豊かにするなどの効果がある。Photo by Getty Images/rviard

文:バーバラ・プレザント (Barbara Pleasant)

翻訳:浅野 綾子

 

混植とは、害虫よけや収穫量UPなどの目的で、2つ以上の違う植物を近くに植えて育てること。過去、混植方法の多くは伝承や精度の低い科学がもとになっていましたが、農場における殺虫剤使用の減少を目的とした最近の研究で、混植の効果が新たに脚光をあびています。

  混植がもたらす1番の影響は、多様性の向上。益虫を引寄せたり、害虫を防いだり、土を元気にする植物を取りいれたりすることで、植物と昆虫と土壌食物網の交流を増やします。結果として菜園の回復力が上がるのです。うまくいく組み合わせには多くの場合さまざまなメリットがあります。たとえば、ルッコラと玉ねぎを一緒に植える時。玉ねぎはルッコラにつくノミハムシを遠ざけ、ルッコラの幅広い葉は雑草の生長を妨げて玉ねぎの根もとに日陰を作ります。成功する混植の組み合わせには、菜園の健全度を向上させる波及効果が多く見られるものです。

 鍵は、互いの生長を助け、管理しやすく、さらに以下の目標のうち1つ以上をクリアする植物の組み合わせを見つけることです。

・害虫を減らす

・雑草管理に効果がある

・土を豊かにする

・気象ストレスに対する保護機能がある

 

害虫を減らす

 害虫の活動に影響を与えるコンパニオンプランツを選ぶには、2つの方法があります。害虫を引寄せ植物の存在を分からなくしてしまうことと、害虫を攻撃する捕食虫を引寄せることです。

 1番目のシナリオはこうです。羽虫の害虫は空気中にただよう手がかりをつかんで好みの宿主植物を探します。好みの植物が発散するガスを触覚で感じるのです。そして、目と足を使ってお目当ての宿主植物をさらに調べます。マリーゴールドやミントのような紛らわしいコンパニオンプランツが混植してあれば、キャベツや玉ねぎの根ウジは減少します。というのも、根ウジの母親の羽虫はお目当ての宿主植物とは違う植物に何度もとまってしまいあきらめてしまうのです。

 作物の存在を「分からなくする」紛らわしい植物といえば玉ねぎ。いくつかの研究で玉ねぎは注目の的です。玉ねぎ、長ネギ、にんにくやその他のネギ類は、見た目も香りも他の野菜とは似つかず、まっすぐに伸びる形状が混植の組み合わせで使いやすいのです。

 風にのってやってくる小さなダニやアザミウマやアブラムシやコナジラミは、混乱させることができるような宿主植物探しをほとんどしません。でも、吹いてくる風に対してフィルターの役割をする植物で高い垣根を作れば、害虫が菜園に入ってくる経路を変えられます。菜園の南側にディルを混植すれば、ハダニがきゅうりにつく前に漉しとるような働きをします。ヒマワリのカーテンは、風に乗りやってくるアブラムシを失速させる風よけになるでしょう。ディルもヒマワリも、テントウムシやクサカゲロウやその他の一般的な捕食虫に蜜や花粉を差し出します。こうした虫たちは、ヒマワリのカーテンをすりぬける軟体の害虫駆除に力を貸してくれるのです。

 菜園に害虫が住みついてしまったら、別の混植対策が必要になります。夏になるまでに、益虫を引寄せるコンパニオンプランツの価値はうなぎ上りになります。天敵が多ければ害虫は少なくなるというのはかなりの数の研究が指摘していること。天敵を引寄せるのは、小さな花を数多く咲かせるのと同じくらい簡単なことがほとんどです。春に植えたルッコラ、コリアンダー、またはメスクランに入っているカラシナ類の何かの野菜が、日がたつと董立ちして花を咲かせることを考えれば分かるでしょう。

 今号掲載のチャートには、益虫を引寄せるのに育てやすい植物を記載しています。多くは様々な効能があります。たとえば、ルリジサの大きく広がった葉は、オサムシに適した棲みかとなります。ルリジサの葉は毛のないイモムシの類が這うには毛羽立ちが多く、ハダニも好みません。一方で、クサカゲロウやハナアブが好む数種類のアブラムシの宿主植物にもなるのです。これは、捕食虫の数を増加させるのに役立ちます。ルリジサの花は、ミツバチや野生のハチも引寄せます。多くのハチが飛び交えば、ルリジサの近くはヒゲナガハムシや他の小さな羽虫が飛ぶには危険な場所になるのです。

 天敵温存植物は、菜園の植床に適しています。というのも、ほとんどが小さな花をつけるから。ハナアブやクサカゲロウの大きな複眼で上から見ると、ニワナズナやノラニンジンやセイヨウノコギリソウの小さな淡い色の花にある蜜は宝石のように光って見えるのです。アシナガバチやスズメバチなどの大きな狩蜂は、ハルシャギクやコスモスや他のデイジー形の花が快適な足場になることを見分けます。

 動くものなら何でも捕食するのはクモ。クローバーやレタスやラディッシュのような背の低いコンパニオンプランツは、ブロッコリーやトマトなど背の高い植物の間で育てられるとクモのシェルターになるのです。

 

より良い雑草管理

 近くに植えることはほとんどの混植計画に見られる典型的な栽培方法ですが、当然雑草が生える場所はなくなります。キャベツやトマトのような場所をとる野菜の混植をする時、早く育つレタスやその他の葉物は一時的なグランドカバーとして使えます。

 玉ねぎ、キャベツ、トマトまたはピーマンの間に植えると雑草よけの草マルチになるのは、コリアンダー、レタス、カラシナ、ルッコラ、その他の葉物。トマトなどの大きな野菜がもっと場所を必要とする前に収穫できます。ゆっくり育つ人参またはビートの畝間に植えても草マルチになります。間に植えた葉物をいくらか残して花を咲かせれば、一定期間天敵温存植物として機能するでしょう。

 旺盛に繁茂するつる性のカボチャ類は、3姉妹とよぶ野菜 [ネイティブアメリカンの主要な3つの作物:とうもろこし、かぼちゃ、豆] を育てる古くから伝わる耕作方法の主要作物の1つです。この有名な3姉妹の混植方法では、豆がとうもろこしを這い上がり、上に生長する豆やとうもろこしの足もとをカボチャ類のつるが覆います。

 同じようにして、オレンジ色のカボチャやつる性のカボチャ類を、とうもろこしや直立するブルーベリーやラズベリーの足もとで育てることができます。夏の終わりの雑草抑えに有効です。

 

土を豊かにする

 マリーゴールドや他のコンパニオンプランツと一緒にニンジンやつるありインゲンを育てると味が良くなるとの声が菜園家から多く聞かれます。ポーランドで行われた研究で、マリーゴールドやカレンデュラと混植したニンジンは、混植しなかったものよりも甘みが強いことがわかりました。おそらく、地表下の根の部分がより健全な状態にあったのでしょう。

 マリーゴールドは、殺菌、殺虫、防カビ効果のある化学物質を根もとから発散し、近くで育つ植物の根が頑健な状態になることを助けます。さらには、マリーゴールドの中には、天然のセンチュウよけを土中に発散して、トマトやじゃがいもやピーマンやオクラ、その他センチュウにやられやすい作物にふさわしいコンパニオンプランツになる種類もあるのです。マリーゴールドが土中に与える好影響は、マリーゴールドが枯れてからも残ります。ある研究では、マリーゴールドの後作に植えられたじゃがいもの収量は8~14パーセント増加しました。おそらく、腐敗したマリーゴールドの根に残存した有益な微生物相の影響です。

 マメ科(エンドウ豆や大豆やいんげん豆類と、クローバーの類)は、大気中の窒素を固定して根粒にため、自身の生存活動に利用します。根菌の活動レベルを強力に高め、近くに育つ植物にも良い影響があります。これがつるなしインゲンとじゃがいもが植床の混植によく合うとされる理由であり、一般にマメ科が3姉妹の菜園や古くから伝わる他の混植の組み合わせで重要な役割を果たしている理由なのです。混菌に活気を与えることで、コンパニオンプランツとして植えられるマメ科は相手の作物が自分で栄養をつくる能力を高めます。その上、多くの場合、他にもメリットがあります。コンパニオンプランツとしてクリムゾンクローバーが一緒に植えられたブロッコリーの研究では、クリムゾンクローバーは土壌の熱を抑えて湿気を保ち、捕食虫のクモの棲みかにもなっていました。クモにより害虫の被害が減少したのです。北アメリカで最もよく見られるクローバーのオランダシロツメクサ (学名 Trifolium repens)は、メインの作物が水分不足にならない限り、コンパニオンプランツとして育てることができます。

 

気象ストレスから保護する

 自家菜園家が最もよく使う多目的な栽培方法の1つは、ひどい日照りや風、大雨から栽培作物を保護するのにコンパニオンプランツを植えること。畝が立てられた菜園は、畝間によりすぐりの植物を植えるのに最適の場所です。そう、とうもろこしの陰でピーマンを育てたり。ほとんどの気候下で、午後に夏の日差しをまぬがれて一息つけるピーマンの質は上がります。

 野菜の大きさから混植が可能な特性を利用する組み合わせもあります。囲いがされた背の高いトマトの株間にセロリ、レタスまたはチャードを植えたり、とうもろこしの合間につるありインゲンを植えるなど。栽培期間の長い大きく育つ野菜を栽培する時は、日陰に適応する背の低い野菜やつる性の野菜を一緒に栽培できることがほとんどです。

 ソバは夏のカバークロップとして1番よく知られていますが、じゃがいものコンパニオンプランツとしても有効です。幅広の畝にじゃがいもを植えて発芽した後、近くに種をまくのです。上に伸びるソバが太陽の陽射しを和らげ、じゃがいもの生長に肝心な土の保湿に役立ちます。ソバの花は益虫も呼び込み、さらにはソバの「壁」がノミハムシやヨコバイ、その他じゃがいもによく集る害虫を遮ってくれます。

 「保護作物 (Nurse crops) 」は、日陰を作ったり、土を安定させたり、まだ保護が必要な幼い作物を風から守る目的で選ばれて植えられる作物です。よく行われる方法は、ニンジンまたはビーツの条間にラディッシュの種をまくこと。ラディッシュはすぐに発芽して、ニンジンとビーツの種をまいた場所の土を落ち着かせます。ニンジンとビーツの発芽はラディッシュよりもかなり時間がかかるのです。1ヵ月くらいで、ラデッィシュはニンジンやビーツが生長する場所を広げるために引き抜かれます。

 小麦やオート麦などの穀物も一風変わった保護作物になります。ある研究によると、保護作物として小麦を植えたところ、混植されたいちごを気象被害や害虫から保護したと言います。土が熱をもつ夏には、ソバ、つるなしインゲン、またはササゲは、夏植えキャベツにふさわしい保護作物になります。育ちの早いオート麦は、8月に植える秋冬野菜や冬のいろいろなカバークロップの理想的な保護作物です。

 すべての菜園はそれぞれに独特の自然の仕組みがあり、あなたは自分の目的に適うようにその働きを深め、進化させ、調整できるよう試みることができます。混植は、植物をより健全に育てるという特定の目標に適うだけでなく、植物の多様性も広げます。多様な植物が育つ菜園、それは心躍る菜園でもあるのです。

 

 

バーバラ・プレザント (Barbara Pleasant) は、バージニア州フロイドにある大きな家庭菜園で野菜を育てている。野菜栽培についての著書多数。最新著書は、「Homegrown Pantry — Selecting the Best Varieties and Planting the Perfect Amounts for What You Want to Eat Year-Round (家で育てるパントリー:1年を通して食べたい最適な野菜とジャストな栽培量)」。

 

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