フードポリシーカウンシルとは?

マザーアースニューズ フードカウンシル

連邦政府がアメリカのフードシステムを変えていくのに時間がかかっています。そのため多くの地域社会がフードポリシーカウンシルを通じて自分たちのフードスケープ [食の景観。食と地域の関わり] の主導権を取り戻し始めています。これらの市民による組織は地域の住民達が作り運営していますが、国の食料政策とのギャップを埋める目的で作られました。

翻訳:大本 清子

 

 食の問題を提起していた人々は数年に渡り、産業界がトップダウンで問題を変えていくよう促してきましたが、最低限の結果しか得られませんでした。今や地域社会は、紆余曲折を経ながら食料政策が議会を通過するのを待つというより、地元組織の力を通じて自ら問題と取り組んでいます。

 フードポリシーカウンシルは今では全米で作られていますが、この運動は40年近く前、カナダのオンタリオ州トロントで始まりました。1980年代にローカルフードムーブメント(食の地産地消の運動)に関心を持つ市民が、それが向かう目標につき議論を促し、問題に取り組むべく活動を実践するため、協議会を結成しました。過去10年間だけでも北米において推定で250のフードポリシーカウンシルが設立されました。それぞれのフードポリシーカウンシルはそれぞれ違う目標に向かって活動していますが、現代のフードシステムはうまく機能していないという点で意見が一致しています。

協議会はその地域内で生産、製造、販売される食の健康に及ぼす影響や安全性に責任を持つため、今までにないほど正確に柔軟に対応しています。

 地域に根ざしたフードポリシーカウンシルはまた、お互い交流することがなかったであろう地域の住民を繋ぐユニークな構造をしています。農家、食料の卸売業者、食料品の店主、食の公正を求める活動家、料理店主、食の安全に関わる役人、 公衆衛生局で働く人までが、しばしば地域のフードポリシーカウンシルのメンバーです。地域の住民がそれぞれ異なったものを持ち込むことでお互いの望みを満足させる対策を立案することを容易にし、総体的な変化に向けての一助になっています。

 フードポリシーカウンシルの組織はそれぞれが、その地域や、そこで取り組もうとしている課題を反映するので、フードポリシーカウンシルをどうあるべきかという決められた形は1つもありません。3分の1近くのカウンシルは政府から補助金を受けていませんが、それ以外は決まった政治制度の中で機能しています。特定の地域社会の強みと、その地域内の要求を取り上げる柔軟性が小規模なフードポリシーカウンシルの原動力となっています。

 地域においての強いリーダーシップ、党派を超えた解決策を見つけることに邁進すること、専門知識を持つ熱心なスタッフの存在、これらが成功するフードポリシーカウンシルの条件です。組織が具体的な結果を出すためには危機にさらされている問題とその解決について、注意深く明確にしていく必要があります。逆に非生産的なミーティングのやり過ぎは、ただ燃え尽きていくだけで支持も失います。

 地域社会全体を変えるには大抵、「トリクルアップ」の精神で、ゆっくり始めて時間をかけながら住民の支持を得ていくことが要求されます。その過程は遅く、煩わしいかもしれませんが、アメリカのフードネットワークの変容を期待できる結果をその地域ごとに出しています。

 フードポリシーネットワーク (のウェブサイト)を訪れて、フードポリシーカウンシルに関する情報をもっと得ましょう。FPCマップを使って近くのカウンシルを探すことができます。またはリソースデータベース (Resource Database) のタブの下にある、あなた自身がフードポリシーネットワークを始める際の詳細が具体的に記されている文書「フードポリシーネットワークの作り方 (how to establish a food policy council)」を見てください。

 

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What’s a Food Policy Council?