今「オーガニック」という言葉は何を意味するのか?

マザーアースニューズ 自然 自給 DIY 社会 コミュニティ アメリカ

オーガニック基準の変化に伴い、Real Organic Project は、土壌のない無機培地で工業的に栽培された植物の完全性に疑問を投げかけている。

文:ヒュー・ケント(Hugh Kent)

翻訳校正:沓名 輝政

  

私たちは、土地を破壊したり、そこに住む動物や人々に害を与えたりしない、安全で健康的な製品を購入しようと努力しているため、食品のラベルを読みこなすことは困難です。ここでは、農家であり Real Organic Project の提唱者でもあるヒュー・ケントが、ラベル表示に関する法律について、また消費者が魅力的に感じるであろう代替案について、別の角度から説明します。

― マザー 

 

 美味しくて健康的な食品を求める私たちの多くは、食品やその品質を評価するのに役立つことを願ってラベルを見ます。「オールナチュラル」、「サステナブル」、そして最近では「リジェネレイティブ」といった言葉に希望を託していますが、どれも確立された一貫した意味を持つものではありません。アメリカでは「オーガニック」という言葉は法律で定義された用語として単独で存在します。この法律(土壌の質を高めることを基本理念としている)に適合している場合のみ、「オーガニック(有機)認証」を使用することができるのです。

 

 にもかかわらず、近年、米国農務省は水耕栽培システムを「USDA Certified Organic」として、土壌栽培の「USDA Certified Organic」と区別することなく表示することを認めています。水耕栽培の作物は容器の中で栽培され、液体肥料から栄養を得ています。地球上のどの国でも、このような土のない水耕栽培システムを有機と表示することは事実上許されていません。

 

 意図的であろうとなかろうと、現在の米国農務省の有機政策は、単に水耕栽培を認めている以上のことを行っています。土を使わずに工業的規模で栽培された「代用品」を優先し、土で栽培された多くの有機認証製品を市場から事実上排除しているのです。

 

 土耕栽培の有機ブルーベリー農家として、私はこの土なし栽培への急速な移行を目の当たりにしてきました。水耕栽培のブルーベリーは、プラスチックの袋やプラスチックの鉢にココナツ・コイアなどの不活性で生命力のない培地を詰めて栽培されるのが一般的です。「オーガニック」の水耕栽培容器で育てる栽培者には、水耕栽培であることを開示する義務がないため、このようなことが起きていることを知る消費者はごく一部ではないでしょうか。。。 

 

* 今号の記事全文は3月上旬までのご注文でご利用いただけます。こちらからどうぞ

* 今号の和訳抜粋サンプルはこちらからどうぞ

* 和訳全文は1年おきに発行される和訳電子版のバックナンバーでお楽しみください