ヤギの出産予定に予定しておくこと

妊娠の兆候とその流れを知り、失敗しない子ヤギの分娩まで一貫して雌ヤギを世話する方法を学ぼう。

文:キャリー・ミラー (Carrie Miller)

翻訳:津田 嘉江

毎年、わくわくドキドキしながらヤギの飼い主は最初の子ヤギを今か今かと待っています。私はヤギを約 4 年育ててきました。そして 2 年近く繁殖させてきました。ヤギの繁殖の新参者となって私はお産とともに来る恐れや心配について大いに深く理解しています。

日付を記す

 大事なことをまず最初に。繁殖の日付を知ること。雌と雄を数週間または数ヶ月同居させるより、短期間一緒にさせましょう。これにより予定日の計算がしやすくなります。出産時期のわからない赤ちゃんを待ってイライラすることもあり得ます。私たちは一度、私たちや前の所有者が気付かないうちにうっかり交配した雌を手に入れたことがありました。

 私たちはその雌の発情が来るのを長らく待ちましたが、ついには獣医師にチェックしてもらうことに決めました。思った通り、雌ヤギは妊娠していました   —  しかも妊娠初期でもありませんでした。獣医師は彼女が 30 日以内に出産するだろうと言いました。私たちは彼女を鷹のように見張り、出産に入るだろうわずかな兆候で行動に移れるようにしていました。雌ヤギは 29 日目に出産したので、私たちは 29 日間心配し続けたことになりました。要点は、わずかな計画が多大なストレスからあなたを救うということです。

 ヤギは平均 150 日の妊娠期間があります。だから、交配日を把握し、およその出産日をあらかじめ計算しましょう。準備万端でいるために、雌一頭ずつにノートをつけ、交配日と出産予定日を記録しましょう。このノートは、ワクチンの接種日や獣医師の訪問日、削蹄日、その他追加の予定を含む全ての記録を保存しておくのにも優れています。

妊娠

 妊娠初期。妊娠を上手に隠す雌もいますが、いくつかの兆しは見つけることができます。最初に見つけることは約 21 日毎に繰り返す発情周期が来ないことです。攻撃性が増すことも妊娠のサインになり得ます。出産予定の雌はしばしばその「赤ちゃん側」(右側)を極度に守るようになり、ほかのヤギと一緒にひとしきり大騒ぎする間、または、愛撫されている間さえ激しく体をぶつけてくることがあります。

 赤ちゃんの成長にはたくさんのエネルギーが使われるので、妊娠雌は普段より寝るようになり、食欲も増します。彼女のおねだりに関わらず、妊娠雌に過剰な穀物を与えないで下さい。食べ過ぎた母ヤギは赤ちゃんが大きくなりすぎ、母ヤギと子ヤギの双方にとって難産や死産の原因になります。

出産中に、2 つの液体で満たされた袋を次々に目にすることになる。2 番目の袋には赤ちゃんが入っていて、蹄が最初に出てくる。

 妊娠中期。雌ヤギの食欲は増え続け、飲水も同様に増えるでしょう。高品質の乾草を無制限に与えるようにする必要があるでしょう。赤ちゃんが育つにつれて胃を圧迫し、食べ物が入る余地がなくなります。1 日に数回ガツガツ食べるより、1 日かけて少しずつ食べる方が良いです。もし給餌中に嫌がらせをされる雌ヤギがいたら、適切な栄養が取れるように離してやりましょう。

 ここでの要点は、おなかのふくらみが見え始め、多胎妊娠ではよりはっきりと見えることです。雌の内のあるものはこの時期の間中より人懐っこくなり、一方で別の雌ヤギはよそよそしくなります。多胎妊娠しているものは息が荒くなり、横になっている時に不快な様子が見られます。もしヤギがまだ泌乳中であれば、乳量は減少し始めます。

 出産 1 ヶ月前。この時期には妊娠ヤギに目立つ変化がたくさん見え始めるでしょう。雌ヤギの外陰部は腫れてきてさらに開き、赤く、炎症を起こしたように見え、粘液の放出(「粘液栓」として知られる)が時々見えます。乳房は発達し始め、出産が近づくにつれてゆっくり大きく成長します。

 おなかのふくらみはますます明らかになり、赤ちゃんが動いているのを感じたり見たりできるかもしれません。雌ヤギは横になっている間不快で落ち着かなく見え、呼吸が荒く、しばしば詰まったように聞こえます。出産予定日 4 週間前には、まだ子宮の中にいる間の胎児の免疫を発達させるのに役立つ CDT [ウエルシュ菌C、D型と破傷風] ワクチンを受けさせましょう。

 

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