ネイティブ・アメリカン・ガーデニング|三姉妹と他にも

Photo By Rob Cardillo Photography
Photo By Rob Cardillo Photography
トウモロコシ、豆、カボチャやその他の「新世界」の食品がいかに人間の文化の流れを変えてきたかを考えると、今はネイティブアメリカンのガーデニングを見直すのに適した時だ。ここで述べるのは、簡単に手を付けられ、ガーデニングの偉大な宝物の一つ、(定義では)生物多様性のアイコンであるガーデニングのしくみだ。珍しい味と食感の豊富な種類を提供するネイティブ・アメリカン・ガーデンは、私がアメリカの食品の "魂"と考えるものと切っても切れない重要なものだ。しかしその物語は幸せなものではない。
 数年前、私は晩年のGladys Tantaquidgeon(1899~2005年)と話すことができた。彼女はMoheganの文化人類学者で、私たちはネイティブ・アメリカン・ガーデニングが直面している喫緊の課題のいくつかを議論した。彼女は19世紀の間に保存されていないMoheganのガーデンの種子について不満を表し、そしてこの損失がどのようにMohegan族( ニューヨーク州北部と現在のコネチカット州に住む)が今日庭で育てる植物に影響するか話した。

 デラウェア州のN.J.Sand Hill族に所属するJames "Lone Bear" Revey (1924~1998) 族長も部族の中で種が失われていることに対して私と何時間も熱心な議論を繰り広げた。原因は多くあるが、たとえば、ライフスタイルの変化、貧困、主流の型にはめようとする政府の計画、foodwaysとネイティブの宗教の損失があげられる。 - そして結果は、時には壊滅的となっている。しかし、多くの種子は生き残ってきた。2つの特徴的なネイティブ・アメリカン・ガーデンがある。1つは、ただ"三人姉妹"(トウモロコシ、豆、スカッシュ)から成る多くが思い描くステレオタイプ的なもの、そしてもう1つはもっと複雑なものであって、先住民のための食糧の供給源としてだけでなく、宗教の延長であった。多くの部族にとって、各植物は、特定の霊的な役割が割り当てられたもので、植物の各部分(根、茎、葉、花、果物)はネイティブヒーリングの役割と深い意味を持っていた。

 ネイティブ・アメリカン・ガーデンを再現することは簡単ではなく、だからこそ、私はこの遺産を守るための方法を見つけるために、アピールをしたいと思った。この責務は、トウモロコシをネイティブアメリカンの文化の「養母」からほとんど食べられない工業原料へ変えた急激なやり方と遺伝子組み換えトウモロコシの普及を考慮すると、特に緊急である。この優雅な植物の生得的な霊性は著しく変性されている。ネイティブ・アメリカン・ガーデンを作ることは、地球と再び繋がることのできるやりがいのある方法だ。
 三姉妹ガーデン他の植物を助けるコンパニオンプランツの概念は、三姉妹の背後にある基本的な考え方だが、これだけに焦点を当ててもネイティブ・ガーデンの伝統のニュアンスの多くを言い表している。(豆の支柱になるようにトウモロコシを利用し、雑草を抑えるためにかぼちゃを植えるといった)共生的に働くように植物を育てることは、まさに適合することであり、自然の恵みを受けて返すという学びとして、一部働いてもらうよう自然を利用することである。現代の農業ビジネスは、露天鉱山堀りのように、大地から搾取した生産量に基づいている。実際に小規模農業の形態であったネイティブ・アメリカン・ガーデンは、土地を豊かにしていった。これが初期の入植者がネイティブ・アメリカンの畑を切望していた理由である。

 ネイティブ・アメリカンの畑の残存する最古のイラスト(1580年からのトウモロコシやカボチャの畑の描写)には三姉妹を使ったガーデニングの証拠がない。彼らはトウモロコシの種類の違いについては明らかな理解を示していて、別々の時期に穂を付けさせるので、他家受粉しない。ネイティブ・アメリカンの中には、別の植物と混植する人たちもいた。ホピ族は、授粉者を引き付けるために庭に香りのする野草を植えた。また、他には、トウモロコシと豆、そしてひまわりを混植して、豆がトウモロコシを十分高い「支柱」として伸びるよう育てる人たちもいた。。。

 

Native American Gardening: The Three Sisters and More

February/March 2013

By William Woys Weaver


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