裏庭の鶏

Illustration By Elayne Sears
Illustration By Elayne Sears

裏庭の鶏は、肉、卵、自家製肥料などの最適な供給源ですよね。費用を“チキン”と取り戻す方法(価値ある鶏糞を菜園の肥料に使う)を学びましょう。金網トンネル、サイズを合わせた不耕起の植床、鶏を自然な害虫抑制に使う方法をお見せしますよ。

 

Chickens in the Garden: Eggs, Meat, Chicken Manure Fertilizer and More
By Patricia Foreman and Cheryl Long

April/May 2013

鶏糞を菜園で使い、鶏をオーガニックな害虫抑制に役立たせることで、養鶏費用の多くをトリ戻せる。

新鮮で栄養のある卵と、自家製ローストチキンの夕食は、自分で鶏類を育てるのに十分な理由になる。庭で鶏を用いているなら、鶏糞も得て自家製肥料を作れる。鳥を働かせて、有機物の混ざった素晴らしい堆肥にできる。さらに、敷地に鶏が歩く広さがあれば、思わぬ恩恵がある:彼らは、マダニや他の害虫をとても抑えてくれるのだ。

養鶏の費用

オハイオ州立大学によると、標準的な雌の成鳥は、年間38kgの飼料を食べる(平飼いで、残飯をたくさん与えるなら、市販の飼料は少なくて済む)。小売業者(Tractor Supply Co.など)の袋詰め飼料は、現在約70円/kgなので、1年間に1羽の雌鳥に餌をやると、3000円ほどの費用となる。この費用は、上等な有機飼料を買えば高くなり、一括購入できる業者から買えば安くなる。1羽あたり何個卵を生むかは、品種、年齢、育て方によるが、年間200から250個の卵を得られるはずだ。よって、1ダースの卵あたり140円から180円を飼料に費やすことになる。後述する他の利点を考慮せずとも、スーパーマーケットで買える同等の卵は1ダースあたり250円から500円もする。(ひよこを親鳥に育てるのにいくらか初期費用は必要だが、卵を生む時期を過ぎた後に雌鳥をスープに使えば費用を相殺出来る。)食用の鶏を育てる費用についてまとめた話は、Gwen Roland の「Raising Chickens for Meat: Do-It-Yourself Pastured Poultry」を参照。

鶏の利点:菜園に役立つもの

 それでは、卵と肉の他に、養鶏の利点はあるのか?マダニを抑えるためだけに、菜園で鶏やホロホロ鳥を飼う人もいる。マザーアースニューズの読者から毎年報告があるが、平飼いの鶏はオーガニックな害虫抑制の手法として、非常に効果的だ。最近の報告は38ページを参照。

 ライム病をもらうリスクを下げる点を金額に換算するのはかなり困難 ― それでも、各鶏からとれる鶏糞肥料の価値は見積もれる。

 鶏は与えられた穀物からわずかなエネルギーだけ使う;残りのエネルギーは糞として出す。裏庭の群れの糞は、正しく用いて、特に炭素の多い物質(おがくず、わら、落ち葉)と混ぜると、土壌に養分を加える。また、土壌の中の有機物を増やす。

 鶏はそれぞれ、ひと月におよそ3.6kgから5kgの糞を出すと、オハイオ州立大学とハワイの協働普及事業(Hawaii Cooperative Extension Service)の報告にある。新鮮な鶏糞には、約1.5%の窒素が含まれ、他にも多くの有用な養分が十分に含まれている。窒素はもっとも不足しやすい養分であるため、鶏糞肥料の価値を見積もるために用いる。

 1羽の鶏からひと月に出される3.6kgから5kgの新鮮な糞は、0.05kgから0.08kgの窒素を含む。各シーズンに、ほとんどの園芸作物は、目標として100平方フィート9.3平方メートル】あたり 0.11 から 0.15kg の窒素が必要。これは「Knott’s Handbook for Vegetable GrowersKnottの菜園家のためのハンドブック】」と Woods End Laboratory【米国の土壌・堆肥の研究所による。1羽の雌鳥が、100平方フィートの区画で歩き回り、窒素を落としていくとすると、ほんの8から10週間で、ほとんどの作物が健康的に育つのに十分役立つ量になるだろう(ねぐらも含め全ての鶏糞を収穫すると想定)。もし雌鳥を 3 x 10 フィート(30平方フィート)の植床の上に、移動式のおりで囲っているなら、だいたい3週間で1羽の鳥が目標量の窒素を落とすだろう。また、おそらく、植床の上に1度に1羽よりも多くの鳥を囲っておくことになるだろう。その場合は、1カ所に留まらせる期間を見ておく必要がある。2羽の鳥を100平方フィートの空間に45週間、あるいは、3羽の鳥を同じ空間に23週間だけ、留まらせておけばよい。

 窒素は、菜園で扱うのが難しい栄養分だ ― 栄養過多になり得る。行き過ぎた量の窒素を使うと、作物によっては(トマトのように)上手く実を付けなかったり、葉ばかり育ったりする。前述のガイドラインに従って、菜園の鶏が十分な期間、植物の成長を促す窒素をほどよく加えるよう確実に維持管理しよう。でも、意図せぬ被害を引起すほど長くならないようにすること。

 鶏糞内の窒素の一部は、空気中へ揮発する際に失われる。これを防ぐには、鶏糞を出来るだけ早く土と混ぜたり(雨が降らなかった場合は水をふくませる)、堆肥化したりする。含まれる窒素によっては、徐々に放出されるものもある。土壌細菌は徐々に分解して、シーズンの後の方に利用出来るようにする。もしくは翌年の場合でさえある。