遺伝子組換え作物の長期研究で ラットに腫瘍を発見

Photo Courtesy AFP Photo/Criigen
Photo Courtesy AFP Photo/Criigen

フランスの研究者は最近、遺伝子組換え作物【以下GMOと表記】の安全性に関する研究を発表。研究が示すところによると、遺伝子組換え【以下GMと表記】トウモロコシやRoundup除草剤を少量与えられたラットは健康に悪影響があった。研究結果は、専門家により相互評価されるジャーナル「Food and Chemical Toxicity」にて発行され、更に長期のGMO調査が緊急に必要であると強調。

 

 20年以上前、米国食品医薬品局(FDA)は、GMOを「一般的に安全な」状況であると認めたが、長期間にわたる安全性調査の義務が生産者にないことを意味している。GMOには科学者が「急性」と呼ぶ影響はないが、「慢性的」な影響(徐々に現れて1つの原因に簡単に結び付かない)はどうだろうか。この懸念に着目したフランスの調査(現状最も総合的なGMOの安全性評価)がある。200匹のラットで、平均寿命の2年間にわたって実施した。以前の調査は最長で240日間だったとGMO研究の専門家でConsumers Union の上席研究者のMichael Hansen氏は言う。生産者による調査は90日間が典型的。

 研究者はMonsanto社のRoundup-Readyトウモロコシ【遺伝子組換えによってRoundup除草剤に耐性があるトウモロコシ】(と付着し得る残留Roundup除草剤)を食べるとラットの健康にどんな影響があるか調べた。ラットを10グループに分けた。内3グループは畑でRoundup除草剤を使用して栽培されたRoundup-Readyトウモロコシを様々な割合で与えた。次の3グループは同じ割合のRoundup-Readyトウモロコシだが畑でRoundup除草剤を使用していないものを与えた。他の3グループはGMトウモロコシは与えなかったが少量のRoundup除草剤を飲み水に入れた。対照群【比較用】の1グループは通常のラットの餌を2/3GMでないトウモロコシを1/3与えた。どのグループも10匹のメスと10匹のオスで構成されていた。

 調査結果よりRoundup-ReadyトウモロコシとRoundup除草剤を別々に与えても、一緒に与えても「乳癌、腎臓障害、肝臓障害、早期死亡を含む重大な健康障害の影響」を示すと研究者は言う。病気の大部分は90日以降に現れた。調査の最後では50から80%のメスに大きな腫瘍ができており、対照群では早期の腫瘍が30%だった。オスでは、肝臓の疲労や壊死が対照群の2.5倍から5.5倍で、腎臓病は1.3倍から2.3倍だった。全体的にはGMトウモロコシもしくはRoundup除草剤を食べたラットのオスで50%、メスで70%が早期死亡し、対照群ではそれぞれ30%20%だった。

 この調査で結論が出たのか。GMOは危険なのか。予想されるように、生産者側の科学者はこの研究に疑問を投げかけている。しかし長期にわたる危険性についてはHansen氏も含め懸念を示している。Hansen氏はこの新しい調査は長期間にわたってよく計画されたものであるが、サンプル数(各グループでオス10匹、メス10匹)が結論を出すには小さすぎると言う。

 サンプル数が少なく、各数値の比較は統計的には重要ではないかもしれないが、この調査結果は問題を描写しているとHansen氏は言う。この調査では処置したラットと対照用ラットの比較が54項目行われているが、4項目以外で処置したラットに悪い結果が出ている。「何かがあり、更なる調査が必要なことを示唆している。」とHansen氏は言い、研究者が十分な結果を得るためにより多くのラットを使わなかった理由としてラット実験を数年間行うと非常にお金がかかることを付け加えている。

 これはGMOの安全性の調査にいかに少ない予算しか使われていないかを示している。1992年から2002年の間(GMOが急速に増加した時期)USDA米国農務省は生物工学の研究に18億ドルの予算を費やしたが、安全性の研究にはその中の1%しか使われていない。ところが農業業界は特許権を利用して研究者と研究内容を強くコントロールし、農業大学の研究計画を支配している。このフランスの調査はすべてを明らかにしてはいないが、出発点だ。

 Tom PhipottMother Jones誌より改編

 

Longest-Running GMO Safety Study Finds Tumors in Rats

By Tom Philpott 
April/May 2013