畑で手間のかからないエンドウ豆とミントは、キッチンでは大いに注目を集める。ミントとエンドウ豆の育て方を学び、新鮮な春のエンドウ豆とミントのレシピを食卓に届けよう。
初夏に畑に溢れるエンドウ豆やミントは、料理を通して美味しいコンビになる。
文:バーバラ・ダムロシュ
翻訳:内野 清美
植民地時代、「王様の誕生日までにエンドウ豆」(6月4日のジョージ三世の誕生日を指す)は良き菜園者の証だった。実際、エンドウ豆の早期収穫というのは目指す価値ある目標だ。柔らかく、新鮮な春のエンドウ豆は冬の根菜食の後に訪れる実りある季節の始まりのしるしだ。北部の菜園者は7月4日の花火と一緒に収穫を祝うことを目標にできるし、南になるにつれてその日付は早まる。
ここで取り上げているのは普通のエンドウ豆で「グリーンピース」または「イングリッシュピー」などと呼ばれているものだ。サヤエンドウやスナップエンドウのようにサヤも食べられる品種も大好物だが、真新しく詰まったサヤをパリっと開き、整列する甘美な緑の実を口に放り込む感覚は他にはない。畑で生のまま味わい、夕食に蒸してバターと食べる。しばらくしたら、使い方に変化をつけたくなり、良い組み合わせを探してみたところ、初夏に同様に豊富なミントが素晴らしい選択肢であることに気付いた。あらゆる料理で私はエンドウ豆とミントを組み合わせている。
春のエンドウ豆を育てよう
早めにエンドウ豆を収穫するなら、春先に土壌の準備が整い次第、豆を蒔く必要がある。春の湿った土壌では育たない場合があるので、秋に堆肥で肥やした植床を畝立てしておく必要がある。そうすれば、エンドウ豆を蒔き、2.5センチ程度の土をかぶせ、軽く水をやるだけで発芽する。
低木タイプのつるなしエンドウ以外は支えが必要だ。わが家の畑では平行する2畝の間に木製トレリスか、エンドウをつたわせるネットで覆った金属パイプを立てる。これまでネットにナイロンや樹脂のメッシュ、それに古い金網まで使ったが、どれも使える。
草取りや間引きはいずれもエンドウの根系を傷めるから、必ず2.5センチから5センチの間隔を慎重に空けて豆を蒔き、後々間引きしないでもすむようにしよう。雑草管理には敷き藁マルチが一番だが、刈り草も同様にエンドウにとって良いマルチになる。ただ一度に沢山の刈り草を厚く敷かないことだ。分解途中に酸っぱい腐敗臭がしてしまう。刈り草は乾燥とともに薄くなるから、青い夏草を刈る度に少しずつ重ねていこう。エンドウ豆は、特にサヤが形成される時、安定した湿り気を要するので雨が降らない日には水やりをしよう。
豆の収穫
エンドウ豆が熟したらサヤを良く観察しよう。完璧な甘さは1日、良くて2日しかもたないからだ。サヤは丸く太り皮は滑らかなままだ。毎日豆を収穫する習慣を身に着けよう。なぜならサヤが薄く固くなると、エンドウ豆はでんぷん質となり食べられない物になってしまうからだ。それに定期的な収穫はさらなる実りを促すことにもつながる。
ツルが成長を止めたら、苗を引き抜き新たな野菜を植えよう。その後秋に異なるマメ科植物を蒔いても良いかもしれない。わが家は7月中旬に蒔くが、夏が長く暑かった場合は1ヶ月程度遅らせることにしている。
「プレミアム」 ( Premium ) はわが家で実り多い早生品種で、「マキシゴルト」( Maxigolt ) と「マエストロ」( Maestro ) 、それに何代も続く素晴らしい家宝「リンカーン」( Lincoln ) が続く。
いつでも食卓に加えられるエンドウ豆を手元に置いておこう。さっと湯がいた豆は冷凍保存もできるが、私は毎日畑で採れる分全て使うようにしている。炒め物、サラダ、スープ、オムレツ、キッシュ、メドレーサラダ、それにシェパードパイの肉と一緒に炒めたり、ピューレは白身魚が泳ぐ美しい緑の池を作る。そしてこの池はミントでアクセントを加えるとより一層食欲をそそる。
ミントの育て方
エンドウ豆に合うミントの小さな畑を持つことは素敵なことだが、小さな畑というのはミントの行動指針に反する。(わが家のミントが用水路を覆うように)ミントには湿度のある畑が一番だが、平均的な湿度の畑でも嬉々として植民地に変える。もし十分なスペースが無い場合は、土の中にポットを縁まで埋めて育てる必要がある。その際、旺盛な根が逃げ出して広がらない様にポットの底にメッシュの類を入れよう。モヒートやジュレップ、アイスティ用に好きなだけ摘み取っても、すぐに再生する。冬のホットミントティ用に、一番香り高くなる開花直前に摘み取り乾燥させよう。
スペアミント?ペパーミント?
一番人気のあるミントはスペアミントとペパーミントで、好みはこのどちらかに分かれる。スペアミントはその先の尖った葉が名前の由来だが、いずれのミントも丸や楕円を持つ場合もある。ペパーミントはスペアミントと水生植物の交配種で、その名の示す通りよりシャープではっきりとした風味を持つ。両方味わって比較するか、どちらが好みか考えてみるといい:ペパーミントパテか、それともスペアミントガムか。
わが家のミントは離れた場所にあるので、背の高いグラスにミントの若枝を活け窓辺に置くのが好みだ。そうするとミントはグラスを根で満たし始め、葉の有用性を広げていく。(根出しした枝をポットに植える、これはミントの増やし方でもある)ミントティーを作る他に、サラダやシロップ、肉料理、キャセロールにも使う。成長期後半にはキュウリやフルーツを入れたヨーグルトに混ぜる。しかしこの時期、バターを絡めた新鮮な春のエンドウ豆にまぶす新鮮なミントのみじん切りよりも素敵なものが有り得るだろうか?
もっと調べよう!
(スペアミント、ペパーミント問わず)ミントを最大限に活用する方法はこちら「Grow Your Own Mint(春のエンドウ豆の育て方)」や、その他おすすめ品種などの情報はこちらをクリック「Crops at a Glance Guide」
ミントや新鮮な春のエンドウの料理情報をもっと探しているなら、こんなシンプルな豆とミントのレシピを試してみよう:
バーバラ・ダムロッシュはメイン州の「Four Season Farm(四季の畑)」でミントとエンドウ豆の新しいレシピを常に模索している。彼女は「 The Four Season Farm Gardener’s Cookbook (四季の畑・菜園者の料理本)」の共同執筆者だ。
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Peas and Mint: A Perfect Pair in Your Kitchen and Garden
By Barbara Damrosch
June/July 2016
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