冬の味わいスイートポテトとシャロット

貯蔵された根菜を手に入れられることは、家庭菜園家/料理人に、安らぎを与える。それらはいつもそこにいて、素朴な味で食事の量を増やしてくれる。しかし、時には夏に栽培できる豊富な種類の野菜が欲しくなる。そこで、家庭ではあまり栽培されないが、料理では人気の新しい貯蔵作物を試してみよう。スイートポテトを一区画植えたり、またはスイートポテトから生えた芽を育てるのはどう? そして、グルメの御馳走のために、シャロットを植えてはどう?どちらも成長しやすく、根菜の貯蔵庫の湿った寒さを必要としない(というよりも、よくない)ので、維持しやすい。 スイートポテトとシャロットは一緒に調理しても良く合う、一つは贅沢に甘く、片方はピリッとして、それぞれ独特で微妙な味わいがある。

スイートポテトを育てる

スイートポテトは、あなたが育てられる最も栄養価が高く、持続的な食糧の1つだ。 彼らは通常の アイルランドのジャガイモとは関係がない。それはヤムとも違う、 明るいオレンジ色の品種のヤムが時々スイートポテトと呼ばれているが。 (市場で売られている色が濃く、中が白っぽい日本のヤムは、甘く美味しいが、アメリカの家庭菜園では一般的には育てられていない。)

 スイートポテトの栽培を成功させるには、肥料が大量に施されていない広々とした区画を選ぼう。 塊茎が膨らむために、土壌を適度に肥沃にする必要があるが、窒素があまりにも多いと、緑豊かなツルに未発達塊茎をもたらし、私は冗談めかしてフィンガリングスイートポテトと呼ぶ。

 土壌のpHが非常に低い場合を除き、石灰を加えてはいけない。スイートポテトはやや酸性の土壌が好きなのだ。 スイートポテトが良く育つ土は深く掘られていて、長い根が通り抜けられ、水ハケも非常に良い。土が重い場合は、掘るか、十分堆肥を入れて耕す。そして、水や空気の通り道を空けるため、大型で幅の広いガーデンフォーク (broadfork) や一般的なガーデンフォークで植床をほぐす。

 スイートポテトを育てるのに重要なその他の点は、日射と熱。あなたが、夏の無風状態に耐える一方、スイートポテトはそれを楽しんでいる。夏が涼しい地域では、塊茎を黒い赤外線透過性のプラスチックシートの中に植えたり、温室で成長させたり、あるいはその両方で補うことがよくある。

 スイートポテトの中身は白から濃いオレンジ色まで色々だ。私は、ベータカロチンの豊富さだけではなく、そのしっとりした食感と見た目で、後者を好む。私にとって最も良かった品種は、適応性の高く優れた耐病性を持つ「ボーレガード (Beauregard)」だ。ネコブセンチュウが流行している地域では、「センテニアル (Centennial)」を選んだ方が良い。

 スイートポテトはとても簡単に根が出て、一つ植えれば ー 発芽抑制剤で処理されていない限り ー 成長する。

最も簡単に育てる方法は、芋から発芽したつるが根を張った(「slips」と呼ばれる)苗を購入することだ。私たちの様に、テネシー州グリーソンのSteele Plant Co.などのサプライヤーから注文するか、ガーデンセンターで見つけることが出来る。

もしくは、有機スイートポテトをいくつか買い、自分でスリップを育てる。これを行うには、鉢に湿った砂を入れ、下半分をその中に埋まる様に芋を植える ー または、水の入ったグラスの中で、芋の半分まで浸かるように爪楊枝で支える ー するとすぐに多くの芽を出し始める。これらの芽を長さが 15〜20cm になったら摘みとって水の入ったグラスに入れると、すぐに根を出し始める。

 どの様に入手してもいいが、霜の危険が過ぎた後にスリップを植える必要がある。地上に葉の上の部分だけが出る様に土の中に深く植えよう。成長するにつれ、良く灌漑された状態を保つ。つるが地面をカバーし日陰を作り雑草をなくすが、残りの雑草は刈るか、引っこ抜かなければいけない。初霜の兆しがあったら、塊茎を掘り出し、暖かく湿った場所で10日間それらを乾燥すると旨味が増す。 冬の間は涼しく乾燥した場所(冷蔵庫ではない)に保管。

 私は、剥きたての焼いたスイートポテトに縦に切り目を入れ、そこにバターを溶かしたものが食べれれば幸せに冬を過ごすことが出来る。また、バターを溶かし入れて潰して、上に一握りの砕いたピーカンナッツを添え、短時間焼いたものも好きだ。 しかし、スープ、シチュー、カレー、パン、ケーキ、パイ、スパイス入りプディングなどを、色々試してみるのも楽しい。

 

シャロットを植える

シャロットは小さなタマネギのように見えるが、その形状はタマネギとニンニクの中間だ。ニンニクの鱗茎のように底の部分で鱗片が繋がって成長(それぞれの鱗片が皮に覆われている)するが、ニンニクよりもゆるく繋がっている。形は様々。もっとも極端なのは「フレンチグレー (French Grey)」シャロット、とても小さな鱗茎を沢山持つ。しかし他の品種では、鱗片は大きく数が少ない。種から育つシャロットは後者であることが多く、より玉ねぎに近い味がする。

 晩秋または早春に、鱗茎を分けて、20cm離して一列に置き、尖った先端が隠れるか隠れないかくらいの土をかける。真夏には葉をチェックして、茶色に変わっていたら、シャロットを慎重に掘り出し、よく掃除し、凍らない涼しいところで保管する。

 

シャロットを使用した、ソースとレシピ

私は色々な品種を栽培するのが好きだ。シャッロトを少し加えて料理を特別なものにしたい時、私は「フレンチグレー」シャロットを使用する。シャッロトは皮をむくのが面倒なので、肉に添えたり、ブラッセルスプラウトや小いカブなどの野菜を入れたプライパンの中に、多くのローストシャロットを使いたい時は、「ダッチイエロー」シャロットなどの大きめの種類を使う方が簡単だ。

 私は、あるフレンチブラウンソース — そのソースでは、シャロットを料理の最後の方に加える — と病み付きになるバターをたっぷり使用したベルネーズソースを知った時に初めてシャロットを心から楽しむ様になった。

 私はこのソースの味 — 特に、シャロット、タラゴン、卵黄、そしてバター — をオムレツに入れたり、シャロットとタラゴンのバターをトーストに塗ったりして再び呼び覚ましている自分によく気づく。卵サラダとシャロットとタラゴンを添えたバター炒めのブレックファーストポテトにもこの味が再現されている。

 時々、美味しそうな茶色の肉の欠片や、どろっとした液で光っているフライパンやスキレットを見ると、ワイン、タラゴン、細かく切り刻んだシャロット、必要に応じてバターを溶かし入れる。これで寒い冬の日のための完璧な即席ソースが出来上がる。

 

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Sweet Potatoes and Shallots to Savor in Winter

By Barbara Damrosch

December 2016/January 2017