オフグリッドの食料保存

電力会社にあまり頼らずに、気化、発酵、培養、保存処理、漬物作りをもっと活用。収穫した野菜を保存して美味しくいただこう。

 

 

文: Leda Meredith

翻訳:内野 清美

 

気化、発酵、培養、塩漬け、酢漬けの手法により収穫を保存し長期間味わおう。

 

冷蔵や電気が普及する以前は、人々は腐敗を遅めるため食品保存方法を作りだした。このような長年培われた手法を取り入れ食料を保存し現代の方法への依存を減らすことでカーボンフットプリントを削減し、自立を高め、缶詰、冷凍、その他オングリッド依存の食料保存方法よりコストを抑えることができる。(注:自家保存食品はボツリヌス中毒症又は食中毒のリスクがわずかにある。米国農務省による実験済みの安全なレシピを見つけよう)

 

オフグリッド食品保存方法に詳しくなるにつれ、いくつかレシピを試す準備ができるだろう。昔ながらの省エネテクニックを使ったシンプルで美味しい食料保存の準備の仕方をいくつか紹介しよう。

 

・塩漬け魚

・フルーツのラム酒漬け

 

冷蔵庫なしで食品を涼しく保つ方法

 

冷蔵庫の中といった涼しい温度は、食品を永久に保存はしないものの腐敗を著しく遅らせる。以下は冷蔵庫発明の遥か前に人々が食品の長期保存に役立てた方法だ。

上記レシピを試す時にこれらを活用してもよい(もしくは独自の冷却保存方法で)。

 

濡れ布巾の覆い。気化は周囲よりも涼しい温度をもたらすため、単純に食品容器を濡れフキンで包むことが食品を通常より長持ちさせるのに役立つ。空気が乾燥すればするほど気化が早いのでこの方法は有効になる。残念ながら高湿度の気候では、それほど効果はないだろう。

 

ジーアポット。ジーアポット、または入れ子式ポット冷蔵庫は、小さな陶器ポットを大きな素焼きポットに入れ、その間を湿らせた砂又は布で埋めたものだ。濡れ布巾ラップと同様、ジーアポットもまた気化熱が働く。食品を中央ポットに置き、蓋をする。多孔性の外側ポットを通し水分が砂や布から蒸発し(よって素焼きであることが重要)小さいポット内の食品を冷やす。このテクニックには砂に水を時々与えることや布の一方の終わりを水の入った容器に浸し吸い上げられるようにしておくことが必要だ。陶器ポットの冷却は、素早い蒸発が大きな冷却効果を生む乾燥地域で一番効果を発揮する。

 

地下貯蔵室。効率的な冷蔵方法としての蒸発には湿度が高すぎる気候では、地下貯蔵庫が食品を涼しく保ってくれる。地下貯蔵庫は夏には地上よりも低い気温を保ち、冬は氷点下以上を保つ。たいていの根菜類キャベツ、カリフラワーやその他丈夫な野菜は十分保存がきき、初めに室温で発酵させた後の乳酸発酵食品の保管場所にも適している。地下貯蔵室がなければ、暖房をつけていないガレージや地下でも野菜の保管が可能だ(食品貯蔵について詳細はこちら)。

 

非加熱乳製品

 

2日から3日間、低温殺菌した牛乳を室温に置いておくと、その牛乳は腐る。しかし生乳で同じことをしてみると、美味しい凝乳カッテージチーズになる。多くの人は生乳が手に入らないが、お店で購入した牛乳でも賞味期限を以下のプロセスで伸ばすことができる。

 

ヨーグルト。牛乳をヨーグルトに変換するヨーグルト培養には大抵38度から43度の温度が必要だ。ヨーグルトマシーン、パイロットランプ付きのオーブン、テルモスに入れた温かい牛乳などはどれもうまくいくが、オングリッドのエネルギーを必要としてしまう。

 

もし料理や温めに薪ストーブを使っているなら、ストーブが発するエネルギーを活用しない手はない。牛乳一杯あたりヨーグルトを少し混ぜ(牛乳約1リットルあたりヨーグルト大さじ1)8時間から24時間牛乳がヨーグルトになるまで薪ストーブのそばに置いておく。

 

ケフィア。ヨーグルト同様、いくつかのレシピでは牛乳を温める所からケフィア作りが始まるが、出来る限り室温で作るようにする。ケフィア種菌を牛乳に混ぜ数日間放置する。ケフィア種菌を濾して保管し次回のケフィア作りに取っておく。

 

生きたケフィア種菌を保管するのはサワードウ種を生かして保管するのに少し似ている。定期的にケフィアに「餌を与える」(完成ケフィアを濾した後のケフィア種菌に牛乳をかける)と必要以上の種菌が得られるだろう。ケフィア愛好家やソーシャルメディアやクレイグズリストなどを通してもケフィア種菌を容易に手に入れることができる。

 

スカンジナビア乳製品。通常のヨーグルト菌と異なり、スカンジナビアの発酵乳は平均室温で培養菌を産出する。ヴィーリは粘質性のヨーグルトの一種で、フィールミョルクはカスタードのような質感で酸味がわずかにある。ピーマは原料が牛乳なら薄く、クリームならサワークリームのようなトッピングを作り出す。このようなスカンジナビアの乳製品はCulture for Healthのようなオンラインページ、またはソーシャルメディアやクレイグズリストで代々伝わる培養菌の最寄り販売者を探すために問い合わせてもよいだろう。

 

このような乳製品は購入時に説明書が付いてくるが、一般的に必要なのは活性種菌または前回作ったヨーグルトから大さじ一杯を冷たい牛乳に混ぜ、軽く蓋をし暖かい場所(21度からに25度)にとろみが付くまで12時間から18時間放置することだけだ。そして食べる前に6時間冷やす(冷蔵庫又はお好みの方法で)。次なるヨーグルト作成の為に大さじ一杯は残しておこう。ケフィア同様、最低一週間に一度はヨーグルト種菌に餌を与えること(新しいヨーグルトを作ること)で菌の繁殖を維持する。

 

乳酸発酵

 

乳酸発酵方法は昔ながらのディルピクルス、キムチ、ザワークラウトを生みだし、この手法には塩、野菜、水以外何もいらいない。

 

このシンプルな方法は、ほぼ全ての生野菜や果物に存在する乳酸菌が乳糖を乳酸に変換し、他の菌にとって酸性が強すぎる環境を作る。継続的に繁殖する乳酸菌と塩水の組み合わせが食材を保存し発酵時の酸味を作り出す。

 

あらゆる野菜を乳酸発酵させることができる。薄めの塩水の中に野菜を完全に浸し、ゆるく蓋をする。発酵が始まるまで室温に置き、塩水の表面がわずかに泡立ち酸っぱいにおいがしてきたら、涼しい場所に移動し発酵を遅らせ食材の歯ごたえや品質をベストな状態に保つ。発酵の時間が長ければ長いほど、しっかりした味になるので、どの程度の発酵が好みかあらゆる野菜で時間がたつごとに味見をして決めよう。様々な風味を試すために、つぶしたニンニクや刻んだトウガラシ、ディルやその他ハーブを入れてみよう。

 

酢100%のピクルス

 

希釈した酢で作るピクルスを長期保管するにはビン詰や冷却を必要とするが、ビン詰にしなくても室温で保管することは可能だ。酸度5%もしくはそれ以上の酢を使おう。酸度確認のため表示ラベルを確認しよう。

 

酢を用いた保存には、清潔なガラス瓶に果物ナイフの先で穴を空けた野菜、又はスライスした野菜を詰める。酸度5%の酢で満たし蓋をする。水で酢を薄めないこと。

 

この方法により酸味の効いたピクルスが作れるが、全ての食品がこの方法で美味しく保存できるわけではない。しかしコルニッション(小キュウリのピクルス)や唐辛子など酢100%の美味しいピクルスはある。原液の酢にハーブを浸すことによってアロマビネガーを作る事も可能だ。

 

トウガラシのピクルス。小ぶりのトウガラシ:大きさはそのままで、酢が浸透するように果物ナイフの先端で穴をあける。ハラペニョやその他大ぶりのトウガラシ:茎を取り除き3mmから6mmの厚さになるように斜めに切る。

 

清潔なガラス瓶にトウガラシを入れ(未消毒でも良い)、酢で満たし蓋をする。酢が腐食を引き起こすため金属の蓋は使用しないように。瓶は涼しい場所に保管しておく。

 

油/脂漬け

 

空気を遮断しカビ発生を防ぐため、油に食品を浸すのは古代からのテクニックだ。しかし、油は食品中のバクテリアを油の中に留めてしまう。ボツリヌス菌などある種のバクテリアは嫌気性(生存に酸素を必要としない)でありそれ故危険要因になり得るからだ。まず、害となるバクテリアを殺菌してから(以下参照)、油や溶かした脂で空気を締め出し食品を保存しよう。

鴨のコンフィなど動物性食品はまず塩漬けし、じっくり調理した後油で覆う。

 

野菜は酢のみで10分間茹でる。酢を捨て、エキストラバージンオリーブオイルなど品質の高い油に野菜を浸す。ズッキーニ、ナス、マッシュルームなどイタリア風前菜となるようなもので試してみよう。油/脂漬けの食品はセラーや涼しい環境に保管する。

 

日干し

 

ドライフルーツ、乾燥野菜、干し肉は保存期間が長い。室温で保存が可能で軽く、生鮮食材より省スペースだ。ソーラー乾燥機は太陽熱をとらえ、温まった食材が出す蒸気を素早く取り除くのに十分な空気循環を作り出す。乾燥機は乾燥中の食材を埃や虫、夜露から守る役目もある。ごくシンプルな材料から乾燥機を作る方法はダンボール箱からソーラー・ドライフード製造器を読もう。

 

レダ・メリディスは「Preserving Everything: Can, Culture, Pickle, Freeze, Ferment, Dehydrate, Salt, Smoke, and More」など5冊の本の作者だ。ニューヨーク植物園とブルックリン植物園の講師を務め食用植物と薬用植物を専門とする。

 

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Off-Grid Food Preservation Methods

June/July 2016 

By Leda Meredith